錦織、復活Vならず…世界3位・4位連破も決勝でナダルの壁

スポーツ報知

◆男子テニス モンテカルロ・マスターズ▽決勝 ナダル2―0錦織圭(22日・モナコ)

 錦織圭(28)=日清食品=は決勝で、世界ランク1位ラファエル・ナダル(31)=スペイン=にストレート負けした。マスターズ大会初制覇、ツアー12勝目はお預けとなったが、上位選手を次々と倒して右手首故障からの復活ぶりを証明。全仏オープン(OP、5月27日開幕)へと続くクレーコートシーズンを好発進した。ナダルは今大会11度目の優勝で、マスターズ大会31勝となり歴代単独トップになった。

 マスターズ大会初制覇で完全復活を示したかった錦織は、赤土の王者ナダルの壁に阻まれた。表彰式で準優勝シャーレを手に「去年はけがで試合ができなかったが、久しぶりにマスターズの決勝を戦えて楽しかった。素晴らしい1週間だった。またナダルに挑戦できたらいいと思う」と悔しさと充実感を漂わせた。

 第1セットの第3ゲームでブレイクに成功したが、直後にダブルフォルトでブレイクされ、4ゲーム連続で落とした。重くスピンの利いたボールに押され、攻略の糸口は見えなかった。

 ナダルも手首の故障から復活し、クレーコートは優勝した昨年の全仏から今大会まで36セット連続獲得の自己記録を更新。マスターズ通算31勝目はジョコビッチ(セルビア)を上回って単独1位。今大会は1セットも落とさなかった31歳は「けがから戻るのはいつでも難しい。今後の素晴らしいプレー、そして今シーズンの健闘を祈ります」と錦織を労った。

 ツアー復帰4大会目で優勝こそ逃したが、3位のチリッチ(クロアチア)、4位のA・ズベレフ(ドイツ)を倒し、トップと対等に戦える力が戻っていることを証明した。関係者は「リハビリ期間中に体を鍛えた効果が表れているのでは」と話す。

 昨夏の右手首負傷でラケットを握れない分、体幹や走力を鍛えた成果は、ラリーが続き試合が長くなるクレーコートでより生きた。左右に振られても軸がぶれずに打ち返すことができ、体の土台ができたことが実感できた。土台の強固さはショットの精度を支え、多彩なプレーを引き出せる好循環になっている。

 世界ランクは36位から22位まで上がる見込み。次週は14、15年に連覇し16年も準優勝と相性のいいバルセロナOPに出場する。トップ10、トップ5に返り咲く日はそう遠くない。

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