錦織、ナダルに敗れ準Vも「自信ついた」 全仏OPシード入り見えた

スポーツ報知
錦織の今後の予定

◆男子テニス モンテカルロ・マスターズ▽決勝 ナダル2―0錦織圭(22日・モナコ)

 22日までモナコで行われたマスターズ・モンテカルロ大会で準優勝した錦織圭(28)=日清食品=の戦いぶりを、スポーツ報知評論家の杉山愛氏が「久々に錦織選手らしさを見せてもらえた。トップ5のテニスだった」と高く評価した。錦織は23日発表の世界ランクで36位から22位に上がり、4大大会今季第2戦・全仏オープン(5月27日開幕)でのシード落ち回避が見えてきた。

 ツアーの決勝で7連敗となった錦織は通算12勝目&マスターズ大会初制覇こそ逃したが、大会を通じて大きな収穫を得た。第1セットはドロップショットやバックハンドで赤土の王者・ナダルにポイントを重ねた。

 錦織「ジュースもあったり、ブレイクできそうな場面もあったり、1セット目はスコア以上にチャンスはあった。近いようで遠かったり、遠いようで近かったり」

 杉山氏「序盤はプラン通りの戦いができていました。ただナダルの球は質が高く、重たいスピンを抑える難しさはありました」

 7日間で6試合。準々決勝は世界ランク3位のチリッチ、準決勝は同4位のズベレフにフルセットを戦ったダメージは大きく、終盤は足が動かなくなった。右手首の故障からツアー大会への復帰当初は結果が出なかったが、舞台がクレーコートに移り流れが変わった。4大大会に次ぐ格のマスターズ大会では16年7月のロジャーズ杯(カナダ)以来の決勝進出だった。

 錦織「素晴らしい1週間だった。今日は足が重かった。もうちょっと(自分が)元気だったらという望みはある」

 杉山氏「ハードコートでデルポトロ(アルゼンチン)のようなビッグサーバーと対戦すると、ラリーでペースをつかむ前にポイントを取られてしまいます。クレーは(球足が遅く)ラリーが続きやすい分リズムがつかめ、攻守の切り替えも時間に余裕があるのでショットの多彩さが生きる。今の状態に一番いいサーフェスなのだと思います」

 6年ぶりに今大会に出場して連戦の経験を積み、準優勝で600ポイントを獲得できた。23日付の世界ランクは22位まで浮上。全仏OPでは世界ランク上位32人に権利があるシード入りに大きく前進した。

 錦織「この1週間でだいぶ自信がついた。ほとんど(トップレベルに)戻っていると思う」

 杉山氏「4大大会でシードに入れるかどうかは大違い。今大会のポイントは大きい。自信も得られて、フィジカル的にも手応えが得られたはずです。全仏が本当に楽しみです」

 クレーコートでの勝率は・722と最も良く、次戦のバルセロナOPは14、15年に連覇して16年も準優勝。全仏へ続くクレーシーズンが、完全復活への足がかりになる。

 ◆4大大会のシード 本戦出場128人のうち出場上位32人。全仏では開幕前週の世界ランクで決まる。3回戦まではシード選手同士の対戦はない。第1、2シードは組み合わせ表の両端に位置。第3、4シードは準決勝まで、第5~8シードは準々決勝までトップ2との対戦が避けられる。錦織は12年の全豪からシードを維持している。

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