バドミントン代表にも“羽生の勝ち飯”…味の素から食事面サポート

スポーツ報知
トマス&ユーバー杯2018に向け、意気込むバドミントン日本代表選手ら(カメラ・浜田 洋平)

 バドミントンの国別対抗戦、トマス&ユーバー杯(20~27日、タイ・バンコク)に参戦する日本代表が、味の素から食事面のサポートを受けることが10日、分かった。

 同杯で、同社による「勝ち飯」の支援を受けるのは初めて。選手宿舎から車で10分の場所に調理拠点が設けられ、朝昼夕の3食に加え、補食の「パワーボール」(おにぎり)やアミノ酸補給食品「アミノバイタル」も提供。男子2大会ぶり、女子18大会ぶり優勝へ追い風となりそうだ。日本代表はこの日、都内で会見と練習公開を行った。

 国別の頂点を競うトマス&ユーバー杯に、強力援軍が現れた。選手の食と栄養面を支援する「勝ち飯」プロジェクトを展開する味の素が、今大会代表の食事面を完全サポートすることが明らかになった。タイ・バンコク市内の選手宿舎近くに調理拠点を設け、白米を用いた3食を提供。「鶏肉のすき煮風」や「豚肉と根菜の香味炒め」などの主菜のほか、夕食には豚汁やわかめスープなど、温かい汁物を味わえる態勢も整える。団体戦の今大会は、食卓を囲みながらコミュニケーションの時間も重要。疲労回復にも気を配った日本食が、大きな効果を発揮しそうだ。

 バドミントンは細かいフットワークと瞬発力が必要で負荷も高く、エネルギー補給は欠かせない要素。これまでも代表合宿中に「アミノバイタル」を補給したり、17年世界選手権(英国)では1人分の鍋料理が手軽に作れる「鍋キューブ」を活用したりと工夫してきたが、今回はさらに手厚いサポートを受けられる形。味の素関係者は「海外遠征の多いバドミントン代表は、国際大会でいかにコンディションを整えるかが大切。(今回の取り組みが)今後の気づき(工夫)のきっかけになれば」と話す。

 「勝ち飯」プロジェクトはこれまで、他競技でも大きな成果を挙げている。サポートを受けるフィギュアスケート男子の羽生結弦(23)=ANA=は、平昌五輪で66年ぶりの2連覇を達成。16年リオ五輪で金2個、銀2個、銅3個のメダルラッシュに沸いた競泳代表陣も、3食+補食(おにぎり)を徹底し、好パフォーマンスを出した実績がある。

 トマス&ユーバー杯の男女代表はこの日、都内で練習を公開。4月のアジア選手権(中国)男子シングルスで日本勢初Vを飾って波に乗る桃田賢斗(23)=NTT東日本=は「自分が全勝すれば、優勝するチャンスはある」と力を込めた。トマス杯(男子)は14年、ユーバー杯(女子)は81年以来となる頂点へ、食の充実が快進撃を支える。

 ◆羽生の「勝ち飯」 平昌五輪のSP、フリー前夜は今大会でも提供される「エネルギー豚汁」を食べた。試合のエネルギー源となる糖質をしっかり取るため、ジャガイモが多めに入っているのが特徴。3季ぶりに優勝した17年世界選手権では「えびとチンゲン菜の炒め物」「白身魚のバター醤油炒め」「鮭の和風炒め」などを食べていた。

 ◆トマス杯とユーバー杯 トマス杯は男子団体世界一を決める国・地域別対抗戦。1949年に第1回大会が行われ、84年から隔年開催。大会名は国際バドミントン連盟初代会長のジョージ・トマス氏に由来。シングルス3戦とダブルス2戦の5戦をシングルスから交互に行い、3戦先勝方式。日本は14年初優勝。同様の女子に相当するのが、57年に始まったユーバー杯。大会名は1930年代に活躍した名プレーヤー、ベティー・ユーバー氏が由来。日本は66、69、72、78、81年に優勝。84年から隔年開催となり、04、10、12年に銅メダル、14年は33年ぶりに決勝進出で銀メダル。

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