【Bリーグ】富山の“現役修士号”宮永がPO2回戦で残留導く

スポーツ報知
横浜戦に向け、対策を練る司令塔の宮永

 プロバスケットボールBリーグ1部・15位(中地区5位)の富山グラウジーズは19日、東京・片柳アリーナで、同16位(同地区6位)の横浜と残留プレーオフ(PO)2回戦に挑む。勝てば残留が決まる大一番を前に、リーグ唯一の“現役修士号”のポイントガード・宮永雄太(36)が好調を維持。横浜の分析からゲームメイクまでこなすアシスタントコーチ兼任の知性派司令塔が、チームをB1残留に導く。

 残留を決める一戦で、勝負のカギを握るのが、ベテランガードの宮永だ。チーム最年長の36歳だが、切れのあるドリブルとパスワークは健在で、12日の残留PO1回戦、島根との第1戦で10アシスト、翌13日の第2戦では5得点4アシストと活躍した。2回戦は1試合のみの一発勝負。「いい流れを作るのが自分の役割。相手は(エース宇都)直輝を警戒するが、アシストで味方の強みを出したい」と気を引き締めた。

 将来的に指導者を目指し、2015年に順大大学院に入学。プレーを続けながら、スポーツ心理学やコーチング学を学び、オフには論文を執筆。Bリーグの前身の一つでもあるNBL時代のデータを集計、分析し、論文「NBLにおける日本人ポイントガードの役割とスキル」が認められ、昨年春に修士号を取得した。「データを数多く使った作業だった。今に生きています」と話す。

 今季からはコーチ兼任となり、練習後は球団事務所に戻り、相手チームの分析を行う。今季の対横浜戦は2勝4敗と分が悪い。POに備え、対戦した過去6試合のほか、最近の映像も見てきた。「寝ても覚めても、フォーメーションが頭から離れない。めちゃくちゃ大変ですが、とても充実しています」。午後11時ごろまで、選手に見せる映像編集もこなしている。

 運命の一戦へ「まずはアグレッシブに守り、全員が積極的にアタックすること。(横浜のエース)川村卓也を攻守で抑えれば、勝利に近づく」と宮永。将来的に博士号取得も目指す司令塔が、流れを変える頭脳プレーを見せつける。(中田 康博)

 ◆宮永 雄太(みやなが・ゆうた)1981年8月1日、北海道生まれ。36歳。東海大四高で総体準優勝、大東文化大でインカレ準V。04年からJBL東芝、12年にJBL栃木でプレー。13年にNBL千葉に移籍。13―14年は230アシストを達成。16年に富山に加入。183センチ、80キロ。好物はチョコレート。趣味はゴルフ。

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