日大・内田監督、規律厳格「篠竹イズム」継承も権力集中「独裁者」に

スポーツ報知
会見を終えた日大・内田監督

 アメリカンフットボールの定期戦(6日・東京)での日大選手による悪質タックルで関西学院大QB選手が負傷した問題で、日大・内田正人監督(62)が19日、兵庫・西宮市内で被害選手やその保護者、関学大関係者に直接謝罪した後、辞任を表明した。この日、騒動後初めて公の場に現れた同監督は大阪空港で報道陣に対応。「全て私の責任」と繰り返したが、自身による反則行為の指示があったかどうかは、明言を避けた。日大は24日までに文書で当該プレーに至った経緯や見解を回答し、それを受けて関学大も同問題で3度目の会見を行う。

 日大の黄金期を築いた篠竹幹夫氏(06年死去)と、内田氏の両監督から指導を受けたことのある日大OBは「(監督引き継ぎ当初は)試合で反則をしたら、そのプレー後は試合には出してもらえないくらい(反則に対して)厳しかった」と振り返る。

 内田氏は長年コーチを務め、規律を重んじ、礼儀作法にも厳しかった篠竹イズムを継承。一方で厳格な指導法には反発もあり、一度勇退した後、1年を経て昨年復帰した際は20人近くが退部する事態も招いた。以前はグラウンドに毎日立っていたが最近は多忙で姿を見せない日もあり、コーチ陣に任せている部分も多いという。

 多忙の一端には、大学理事としての職務があるとみられる。指導者のほかに、約7万8000人の学生を有する巨大学校法人の人事担当常務理事と、人事部長の顔をもつ。運動部の予算を握る保健体育審議会局長も務め、ある教授が「独裁者」と皮肉るほど権力が集中。その影響力は付属高校にまで及ぶという見方もあり、周囲が意見を言いにくい環境になってしまっていた可能性は否定できない。

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