日大・内田前監督がタックル指示した際の具体的状況…大きく食い違いも「下手に動くと潰される」

スポーツ報知
アメフトの試合の反則行為問題で、記者会見する負傷した関学大選手の父・奥野康俊氏

 6日のアメリカンフットボール定期戦での悪質なタックルで関学大の選手を負傷させた日大の選手が22日に東京都内で記者会見することが21日、発表された。日大選手は内田正人前監督(62)=19日付で辞任届受理=とコーチの指示に従って危険なタックルをしたと説明する予定。また、内田前監督がタックルを指示した際の具体的な状況がスポーツ報知の取材で判明した。一方で負傷させられた関学大選手の父親で大阪市議の奥野康俊さん(52)がこの日、大阪府警の所轄所に被害届を提出したことを発表し、その後、大阪市内で会見した。

 日大DL選手は22日に都内の日本記者クラブで会見を開き、内田前監督とコーチの指示でタックルをしたと説明する予定。日大や内田前監督のこれまでの主張と大きく食い違う形になる。

 複数の関係者へのスポーツ報知の取材によると、内田前監督は試合前日と開始前、DL選手に「1プレー目で相手クオーターバック(QB)を壊せ。何か言われたら、俺の指示と言え」という趣旨で反則行為を指示した。DL選手は春の練習を休んでいたことから「やる気が感じられない」などと監督らから叱責を受けており、反則行為の実行が試合出場の条件とされていた。

 DL選手は試合後、「とんでもないことをしてしまった」と後悔の念を周囲に打ち明けている。騒動が大きくなった場合、指導者らから報復される可能性があるとして恐怖心を感じているという。ほかの部員も日大側の一連の対応について「監督が辞めただけでは、この体質は変わらない」と不信感を募らせており、監督やコーチが全員交代するなど指導体制の刷新を求めている。ただ、「下手に動くと(指導者から)潰される」と自発的に動くことが難しい状態だという。

 関東学生アメリカンフットボール連盟は関係者への聴取を進めており、監督による指示の具体的な内容を調べるとともに、指導者の暴力など指導体制にも問題があった可能性があるとみている。同連盟は規律委員会を設置しており、6月上旬にも処分を下す方針だ。

 DL選手は6日の関学大との定期戦で無防備な状態の相手QBに背後からタックルし、負傷させた。その後も反則を繰り返し、資格停止(退場)となった。内田前監督は19日に引責辞任を表明したが、危険なタックルを指示したか否かについては言及を避けた。

 日大広報部は、内田前監督が学内の調査に「違反をしろと言っていない」と述べたと明らかにしており、15日付の関学大への回答書では「指導と選手の受け取り方に乖離が起きたことが問題の本質」とした。

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