バドミントン女子団体、37年ぶり世界一…エース・山口茜ら全員がストレート勝ち

スポーツ報知
山口茜

◆バドミントン 国・地域別対抗戦第7日(26日、バンコク)

 女子の団体世界一を決めるユーバー杯の決勝(3戦先勝方式)が行われ、5大会連続メダルが確定していた日本は地元タイに3―0で圧勝し、1981年東京大会以来となる37年ぶり6度目の優勝を果たした。シングルスで世界ランク2位のエース・山口茜(20)=再春館製薬所=、昨年世界女王の奥原希望(23)=日本ユニシス=、ダブルスで世界選手権優勝の福島由紀(25)、広田彩花(23)組=ともに岐阜トリッキーパンダース=の全員がストレート勝ち。メダル量産を狙う20年東京五輪に向け、層の厚さを見せつけた。

 奥原と対戦した相手のショットがネットにかかると、コートで全員が歓喜の円陣をつくって跳びはねた。準決勝で3連覇中の中国を破り勢いがあったタイに1ゲームも与えず圧勝。渦巻いた「タイランド!」の大声援も黙らせた。先陣を切った山口は「(大会)序盤からいいパフォーマンスができていなかった。少しは返せたかな」と、はにかんだ。

 20年東京で団体戦は非開催だが、世界一にふさわしい圧倒的な内容を示した。今年は一時、山口が世界ランク1位になり、ダブルスは世界ランクのトップ5に3ペアが入った。奥原が「後ろに頼りになる先輩がいる」と言ったように、4番手に16年リオ五輪女子ダブルス金の高橋礼、松友のタカマツペアが控えていたが、出番が回らなかった。

 世界ランク2位で初のユーバー杯に出場した福島、広田は再スタートの舞台となった。師事する今井彰宏氏の金銭問題をめぐる騒動の真っただ中。大会前には焼き肉をつついて改めて日本代表の責任を確認した。「簡単に出られる大会じゃない」と福島が言えば、広田は「役割を果たし、チームに勢いをつけたい」と切り替えた。雑音に動じず、完全燃焼した。

 世界選手権を制した後の昨年9月に右膝を痛め、今年1月に実戦復帰した奥原はただ一人だけ全試合に出場し、6戦全勝だ。80年代以来の女子日本の黄金期を取り戻したが「新たな歴史をつくるのは意識してなかった」と当然のように言ってのけた。

 次は今夏の世界選手権(7~8月、中国・南京)。東京五輪の代表選考にも直接影響する大会ともなる。04年アテネ五輪後から指導する朴柱奉監督は「五輪はこれ以上にプレッシャーはあるが、選手にいい経験になったと思う」と話した。37年ぶり団体世界一に輝いた追い風に乗り、20年に向けて進撃し続ける。

 ◆ユーバー杯 女子の団体世界一を決める国・地域別対抗戦。大会名は、1930年代に活躍した名プレーヤー、ベティー・ユーバーが由来で、56~57年に第1回大会開催。これまで女子日本は66、69、72、78、81年に5度優勝。84年から2年に1度の隔年開催となって以降は90、04、10、12年に銅、14年に33年ぶり決勝で銀メダルを獲得し、前回16年は銅メダルだった。

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