日大アメフト部、改革へ動いた 3コーチが辞任へ 反内田派OBの有志会結成へ

スポーツ報知
24日の緊急監督会で報道陣の前に姿を現し謝罪した日大・森コーチ

 日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、関東学生連盟から「資格剥奪」の処分を受けた森琢ヘッドコーチ(HC)を含む日大のコーチ3人が辞任の意向を示していることが30日、分かった。同部OBが、従来のOB会とは別の「有志会」を作って選手支援の活動を始めるなど分裂状態にあることも判明。名門の再建につながるか、ともに今後の動きが注目される。この日、関東学連1部リーグの監督会では日大進学希望の高校生の救済措置についても話し合われた。

 日大広報部によると、森HCの他に辞意を表明しているのは長谷川昌泳コーチと田中芳行コーチ。一連の騒動を受けた決断という。関係者によると、3コーチは、コーチ陣の中で中心的な役割を担っていたという。関東学連は29日に、日大・内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)前コーチとともに永久追放に当たる「除名」処分を下した。コーチは12人おり、うち3人が辞任の意向を示していることになる。

 また、日大アメフト部OBが、OB会とは別組織の「有志会」を作って選手を支援するための活動を始めていることも判明。部員一同の声明文作成に協力した父母会と一体となって支えていく方針。関係者によると、従来のOB会は内田前監督に近く、今回の問題を受けた対応なども一切なかった。そのため先行きを憂慮したOB有志が会を結成。OB会は現状で“内田派”と“反内田派”に分裂状態ということになる。

 27日の「有志会」初会合には約50人が集まった。現在も参加を呼び掛けており、数百人規模になる見込み。具体的な支援策は今後検討していくという。有志会の一人は「選手にとってよりいい形になるよう、支援に注力していく」と話した。有志会は内田色を一掃し、部の再建、選手のサポートへ一丸となる。

 一方、25日の会見で、部員の要望を尊重する意向を示していた大塚吉兵衛(きちべえ)学長(73)は30日、コメントを発表。関東学連の処分について「裁定を真摯(し)に受け止め、本学アメリカンフットボール部選手たちの気持ちを無にしないよう、誠実に対応いたします」と再発防止に向けて取り組む姿勢を強調した。

スポーツ

×