東大アメフト部支援法人設立 好本理事に聞く「部を取り巻く人々の気持ちを横断的に組織化していく」

2018年6月13日11時46分  スポーツ報知
  • 東大アメフト部の一般社団法人設立代表理事に就任する好本一郎氏

 東大アメリカンフットボール部は同部を支援する一般社団法人を設立する。7月上旬に発表し、8月から本格的に活動を始める。任意団体の部活動を法人化した組織がサポートすることで、財務状況の透明化などを図ることができる。京大アメフト部も2016年8月に一般社団法人を設立。「京大&東大モデル」は、ほかの競技に広がる可能性があり、関係者からは「大学スポーツの新たなモデルになる」との期待の声が上がっている。「一般社団法人東大ウォリアーズクラブ」代表理事に就任する長谷川ホールディングス元社長の好本一郎氏(65)に狙いを聞いた。(久保 阿礼)

 ―法人設立の狙いを教えて下さい

 「東大アメフト部は60年間、同じような体制のまま来てしまい、時代に合わなくなってきたことも事実です。東大元総長の小宮山宏さん、藤森義明さん(日本オラクル会長)、チーム関係者を含めて計画を作りました。狙いはチームを強くすることです。それは単に勝つということだけでありません。指導者は人間教育ができる人が最適ですし、今の時代は安全対策をしっかりやらないと選手の父母が許してくれません。そこが私たちの時代と大きく違うところですね」

 ―そのためには資金力も必要です

 「そうですね。組織としての信用力を上げるために、法人化が一番でした。ガバナンスがきちんとしてくれば、信用力が上がります。信用力が上がれば、支援したいというマインドが上がって、良い選手も獲得できるかもしれません。チームが強くなってくれば、さらにこの循環は強まっていくでしょう」

 「OBは1000人ぐらいて、年齢層は20歳~70歳です。それぞれフットボール愛はあるんですが、力を結集していたかというとそうではなかった。選手の父母の意向も大事ですね。いつも支援や応援もしてくれますし、これをきっかけに父母会も組織化して協力できる体制にします。また、一般の方含めてファンクラブも作りたいと思います」

 ―一つの会社であり、クラブチームの運営のようです。安全を重視しながら、良い環境でスポーツを通じて教育をしていく、と

 「部を取り巻く人々の気持ちを横断的に組織化していきます。また、1億円ぐらいあるお金の動きを明確にできます。良い循環が生まれるでしょう」

 ―集まった会員の中から、代議員を選出して代議委員会では監督や理事の人事の任免もできる、と

 「今まで監督の人事権はOB会が持っていました。このような仕組みは日本で初めてではないでしょうか。代議委員にはOB会からも入ってもらってもらいますが、父母会やファンクラブからも選びます。運動部そのものは任意団体ですが、サポート体制を法人化しましょうということです」

 ―NCAA(全米大学運動協会)を参考にするという方針がスポーツ庁から示されています。大学内にスポーツ局を設置し、任意団体だった部活を正式なプログラムにするというものですが、東大ではどうでしょうか

 「東大としてはまだそこまで踏み込んでません。もし、将来的にNCAA化されるのであれば、この社団法人はなくなっても良いと思います。NCAAについて全体の計画が見えませんので、今は法人化という手段を取りました。今の学生たちにもっと良い環境で、フットボールをさせてあげたいなと思っています」

 ◆好本 一郎(よしもと・いちろう)1953年5月29日、東京都生まれ。65歳。東大法学部卒業後、米大手コンサル「ベイン・アンド・カンパニー」などを経て、スターバックス、ジョンソン&ジョンソン、日本マクドナルドなどで要職を歴任。17年2月から「おそうじ本舗」で知られる長谷川ホールディングス社長を務めた。

 ◆東大アメフト部(チーム名・ウォリアーズ)1957年9月、創部。約180人が所属する東大内最大規模の部活。96年にプレーオフ初進出、「甲子園」まであと2勝に迫った。01年に日大から初勝利(1部2位)。社会人、代表でコーチだった森清之氏がヘッドコーチ、同部出身の三沢英生氏(現・株式会社ドーム常務)が監督を務める。

球技
今日のスポーツ報知(東京版)
報知ブログ(最新更新分)一覧へ