卓球の「T.T彩たま」が坂本竜介監督の就任と4選手との契約発表

スポーツ報知
会見に出席したT.T彩たまの(左から)柏原哲郎社長、坂本竜介監督、岸川聖也

 10月に開幕する卓球のTリーグ1部「Tプレミア」男子に参戦する「T.T彩たま」が15日、埼玉県庁で会見を開き、坂本竜介監督(33)の就任と4選手との契約合意を発表した。

 ロンドン五輪シングルス5位の岸川聖也(31)=ファースト=、韓国の鄭栄植(26)、香港の黄鎮廷(26)、ポルトガルのチアゴ・アポロニア(31)が加入。会見には坂本監督とコーチ兼任となる岸川が出席した。

 坂本監督は現役時代、世界選手権に3度出場し、全日本選手権も福原愛との混合ダブルスで2度優勝している。青森山田高3年時には当時15歳だった岸川聖也とドイツのブンデスリーガ入り。1部の名門デュッセルドルフでも2年間プレーするなど、日本の男子卓球の発展に大きな役割を果たしてきた。運営面にも携われる執行役員も兼ねる形での打診を快諾し「まずは優勝を一番の目標に掲げ、愛されるチームを作り、この埼玉に卓球を根付かせることが自分の責任だと思っている」と所信表明した。

 補強を進める上で強く意識したのは「打倒・木下」だ。木下グループからは水谷隼、張本智和ら日本のトップ選手の参戦が見込まれている。全チームの陣容が公表されていない現段階では男子は「木下の1強」と見る向きも多いが、坂本監督は「1強というのは何も面白くない」と語る。

 そのために水谷、張本の二枚看板に対抗できる戦力をそろえた。特に鄭栄植は今年の世界選手権団体戦の準々決勝で水谷、張本から白星を挙げ、韓国の銅メダル獲得に大きく貢献。香港のエースで世界ランク7位の黄鎮廷は日本選手に対して高い勝率を誇っている。坂本監督は「(ファンが)一番見たいのは水谷、張本と誰が張り合えるのか。この2選手を絶対に取るべきだ」と直接熱意を伝えて、口説き落としたという。

 また、ポルトガルで五輪に3大会連続で出場しているアポロニアはリーグ初の欧州出身選手となる。「欧州の選手を獲得できたのは、日本の卓球界にとってすごく大きなことだと思う。活躍を期待しているし、強くなって日本に来て良かったと思ってもらいたい」。坂本監督は国際色豊かな陣容がリーグの活性化につながることも願っていた。

 既にリオ五輪団体銀の吉村真晴の獲得が発表されていた日本選手も、岸川の加入で厚みが増した。坂本監督とともに15歳からブンデスに挑戦し、水谷ら後進に道を切り開いてきた岸川は、豊富な経験を生かしてコーチ兼任となるが「一番は選手としてチームに貢献すること。あとは自分にしかできないこともあると思うので、坂本さんの助けになれるように、コーチの部分でもしっかり頑張っていけたら」と決意。「東京五輪を目指して頑張っている隼のためにも、いいライバルチームになりたい」と、ダブルスを長く組んできた水谷への思いも語った。

 また、練習拠点は特定非営利活動法人「さいたまスポーツクラブ」がさいたま市内に所有するクラブハウス「SSCあすも」に決定した。近い将来にはユースチームを設立する考えもある。新規参入チームながら、開幕に向けて順調に陣容を整えている柏原哲郎社長は「鄭栄植やアポロニア、吉村とイケメンの選手もそろい、面白いチームになった。初代チャンピオンは必ず取ります」と力強く目標を掲げた。

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