卓球リオ「銀」吉村真晴、張本から刺激「やらなきゃ」ロシア・リーグから帰国

スポーツ報知

 卓球のリオ五輪男子団体銀メダルで世界ランク30位の吉村真晴(24)=名古屋ダイハツ=が19日、ロシア・リーグの全日程を終えて成田空港に帰国した。初めて参戦したロシアでの戦いを「1シーズンを通して強い選手と戦えたし、いろんなスタイルの選手を間近で見ることができた。この半年間は常に刺激を持って過ごすことができた」と充実の表情で振り返った。

 吉村は前年覇者の「UMMC」の一員として出場。リーグ戦は昨秋から22試合が行われ、最終戦は水谷隼(29)=木下グループ=が所属するオレンブルクと対戦した。UMMCが3―2で勝利し、両チームが勝利数で並んだが、直接対決2試合の合計スコアで届かず、準優勝だった。

 世界のトップ選手が集まるロシア・リーグへの参戦は、20年東京五輪を見据え、成長を求めての挑戦だった。クロアチアの名選手だったプリモラッツ監督は「無駄なボールを1球もさせないタイプの人でした」と1球1球を大切にする指導者だったという。台上の技術などの個別指導を受ける機会もあり、「ちょっとしたことでもすぐ声をかけてくれて、みんなが終わってからでも『ちょっとでいいからやるぞ』と言ってやってくれたので、ありがたかった」と感謝した。

 右肩痛を抱えて戦っていたことも明かした。5月下旬の香港オープン(OP)から中国OP、ジャパンOP荻村杯、ロシア・リーグと試合が続いた。香港OPではロンドン五輪金メダルの張継科を破って8強に入ったが、中国OPは予選敗退。「香港でいい試合をした後で、ちょっと焦る気持ちがあった」。試合間隔が短い中で、追い込んだ練習を行ったことが影響したのか、ジャパンOP荻村杯前に右肩腱板(けんばん)炎と診断されたという。

 その後も痛み止めを飲んで強行出場を続けたが、右肩はリオ五輪後の前にも痛めた箇所だった。「大会が続くと細かいところが調整しづらくておおざっぱになりがちなので、練習して一からと思ったけど、焦りは怖いなと感じた。また同じ場所をやっちゃっているので、気を付けないといけない」と教訓も得た。

 ジャパンOP荻村杯では14歳の張本智和が、リオ五輪金の馬龍らを撃破して優勝を飾った。吉村も会場で見守り、「いつも間近で練習したり、話している仲ですし、僕らも負けてられない。やらなきゃって気持ちは強くなりますよね」と大きな刺激を受けた。

 今後も来月の全日本実業団選手権大会、オーストラリアOPと試合は続いていく。「ロシア・リーグでも代表合宿でもそうですし、自分の中で少しずつ明確な目標とやるべきことが出てきた。(秋に)Tリーグも始まる。自分が学ぶ場が増えることは必ずプラスになると思います。楽しみですね」。ロシアでの経験も糧に、巻き返しを誓った。

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