南京都高ボクシング部OB、飛躍の秘訣は左構えへの転向

2017年3月20日10時0分  スポーツ報知
  • 左からロンドン五輪金の村田、世界王者12連続防衛中の山中、来月ともに世界初挑戦する久保と大森

 プロボクシング界で南京都(現京都広学館)高の卒業生が好調だ。WBC世界バンタム級王者・山中慎介(34)=帝拳=は12連続防衛中で、ロンドン五輪ミドル級金メダルからプロ入りした村田諒太(31)=帝拳=も次戦で世界初挑戦が濃厚。関西のジム所属では久保隼(26)=真正=と大森将平(24)=ウォズ=が4月に世界初挑戦。共通項を探ると、村田以外の3人は高校時代に右構えから左構え(サウスポー)に転向していた。元監督の西井一さん(50)に話を聞いた。

 躍進の秘けつは左構え転向にあった―。西井さんは同部でコーチ、監督として1989年から24年間指導した。コーチ時代、武元前川監督(故人)の勧めで、山中、久保ら複数の右利き右構えの選手が左構えに転向して飛躍した。先輩の成功例を見た大森も自主的に左構えに転向した。

 西井さんは「武元先生が、器用な選手にはサウスポーを勧められた。倒しやすい(右利きの)右フックを打たせるため」と意図を説明。「(大半が右構えの)相手の左手を(右利きの)右手で崩せる」と主導権に関わるリード争いにも言及した。山中ら3人は、フックの他にもアッパーやジャブなど、利き腕から繰り出す多彩な右を磨いて、出世街道を歩んだ。

 久保は「僕にサウスポーが合うと武元先生が見抜いて下さった」と感謝。「変えてから距離感が良くなった。長いリーチ(180センチ)を生かせるようになった」と転向の利点を明かした。

 利き腕ではない左で放つストレートも地道に磨いた。「神の左」と呼ばれる山中も高校時代は、1・2キロの鉄アレイを両手にシャドーボクシングをし、サンドバッグ打ちなど基礎トレを繰り返した。西井さんは「筋力で劣っても一つ一ついいパンチを打てれば勝てる、と指導した」と振り返る。

 山中に続けと、久保は来月9日にWBAスーパーバンタム級王者・セルメニョ(ベネズエラ)に挑む。大森は同23日にWBOバンタム級王者・タパレス(フィリピン)に挑戦する。高校時代のサウスポー転向という決断が、世界のリングへの道につながっている。(田村 龍一)

 ◆西井 一(にしい・はじむ)1967年1月2日、京都市生まれ。50歳。北嵯峨高、近大卒。89年、数学教諭として南京都高に赴任。ボクシングの選手経験はないが、ボクシング部・武元監督の勧めでコーチ就任。武元監督が死去した10年2月に監督に就任。13年、同校を退職。現在は京都・北桑田高教諭。

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