村田、金メダリスト世界王者へ…114年目にして初の偉業に挑む

2017年5月20日6時0分  スポーツ報知
  • 前日計量をパスした村田は、鍛え上げた上半身を披露した(カメラ・佐々木 清勝)

 ◆報知新聞社後援 プロボクシング トリプル世界戦 ▽WBA世界ミドル級王者決定戦 暫定王者・アッサン・エンダム―同級2位・村田諒太(20日、東京・有明コロシアム)

 ボクシング12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストでWBA同級2位の村田諒太が114年目にして歴史を塗り替える。トリプル世界戦(報知新聞社後援)は20日、東京・有明コロシアムでゴング。19日は都内で計量が行われ村田、同級暫定王者(1位)アッサン・エンダムともに72・3キロで一発パスした。五輪でボクシングが1904年に採用されて以降、ミドル級金メダリストがプロで同階級の世界王者になった例はない。歴史的快挙でベルトに花を添える。

 計量をパスした村田は笑顔を浮かべた。報道陣や関係者約150人の方へ振り向くと、無数のフラッシュを浴びた。表情を引き締め、ガッツポーズ。計量に立ち会った相手陣営と握手した。エンダムとは顔を突き合わせる「フェース・オフ」で15秒間ほどにらみあった。先に相手が視線を外し、最後は村田が握手を求めた。

 「計量は試合前の一番大きな仕事、越さないといけない壁だと思う。それができた」。計量後はトマト系とすっぽんのスープを飲んで栄養補給した。「エンダムもウェートをつくってきてくれて、うれしく思う」と相手に感謝した。

 歴史的快挙がかかる。ボクシングが五輪で採用されたのは1904年のセントルイス大会。以降、ミドル級の金メダリストがプロで同階級の世界王者になった例はない。52年ヘルシンキ大会を制し、プロでヘビー級王座を2度手にしたフロイド・パターソン(米国)ら他の階級で世界のベルトを巻いた選手はいるが、村田が世界王座を取れば、前人未到の偉業になる。

 歴史を変えるのは容易ではないが、村田なら期待できる。決戦を翌日に控えても「けっこうビビリで試合になったら開き直れるタイプなんですけど、今回は今から落ち着いている。いいのかな?」と気負う様子はない。「そろそろよろしいでしょうか」と気遣う関係者を「まだ大丈夫ですよ」とやんわり制し、取材に対応する余裕を見せた。

 エンダムは対照的だった。試合に集中したい―と無言で会場を出た。関係者によると、エンダム陣営は今回の世界戦開催に際し、リングの大きさにこだわったという。プロは一辺が約5・5メートル以上7・3メートル以内と決められているが、陣営は契約書にも明記するよう要求。その結果7・2メートルと記され、当日は同様の大きさになる予定だ。足を使うエンダムが広いリングを好んだと思われるが、それだけ必死な証拠でもある。

 村田は終始、落ち着いていた。計量当日に対面したエンダムについては「体全体では僕の方が大きかった」と自信を示した。金メダル獲得の気分との比較については「似たような緊張感はあるかもしれないが、全く違うと思う。金メダルを取ってからのキャリアの方が大きい」と即答。プロで4年弱、全12戦で得た経験と自負をのぞかせた。95年の竹原慎二以来となる日本人2人目のミドル級世界王者、そして日本人初の五輪メダリスト&世界王者へ。夢をつかむ時が来た。(三須 慶太)

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