井上尚弥、“卒業試合”へ「KOで終わらせたい」

スポーツ報知
挑戦者ボワイヨ(右)の前で計量を余裕でパスした井上

◆プロボクシング ダブル世界戦 ▽WBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ 王者・井上尚弥―同級6位・ヨアン・ボワイヨ ▽WBC世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ 王者・拳四朗―同級11位・ヒルベルト・ペドロサ(30日、神奈川県・横浜文化体育館)

 WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥が、ド派手なKO勝利で同階級の“卒業試合”を飾る。ダブル世界戦の計量が29日に都内で行われ、4選手全員が一発パスした。KO勝利なら、世界戦KO数は日本人王者歴代2位タイの「9」。今回を最後にバンタム級への転向を明かし、「井上尚弥らしい試合をしてKOで終わらせたい」と誓った。WBC世界ライトフライ級王者・拳四朗は、超高級弁当でV2戦へのパワーを蓄えた。

 リミットの52・1キロでパスした井上は、無数のフラッシュを浴びて得意げにガッツポーズした。減量は決して楽ではなく、「毎回この瞬間はホッとする」と胸をなで下ろした。試合の約1か月前からは家族と離れ、弟の拓真(22)と共同生活で調整してきた。「拓真は今回54キロ契約なので、『ふざけんなよ』って思っていました」と、冗談を飛ばす余裕もあった。

 V7戦は区切りの一戦となる。「自分の中ではスーパーフライ級は最後と決めている。ラストだから減量を踏ん張れた」。来年からは1階級上のバンタム級に転向し、3階級制覇を狙う。今回KO勝利なら世界戦9試合目となり具志堅用高、山中慎介と並び日本歴代2位に。内山高志の10試合にも王手をかける。

 2014年12月に世界的名手のオマール・ナルバエス(アルゼンチン)を破り2階級制覇。そこから6度の防衛を重ねてきたが、「正直やり残した感はあるし、ガッカリした気持ちもある。(統一戦など)やりたいと思う選手とできなかった」。その一方で、「来年はバンタムでできる楽しみもあるし、いろんな気持ちがある」と複雑な思いを吐露した。

 ただ、先ばかりを見て足をすくわれるタイプではない。「見ているのは明日(30日)の試合。スーパーフライ級ラストになるので、井上尚弥らしい試合をしてKOで倒したい」。“怪物”らしいド派手なKOで有終の美を飾る。(三須 慶太)

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