山中竜也、V1戦3・18神戸 第二の故郷へ「勇気、感動を」

スポーツ報知
初防衛戦を発表したWBO世界ミニマム級王者の山中竜也(カメラ・田村 龍一)

◆プロボクシング世界戦 ▽WBO世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・山中竜也―同級4位・モイセス・カジェロス(3月18日、神戸ポートピアホテル)

 真正ジムは17日、WBO世界ミニマム級王者・山中竜也(22)が3月18日に神戸ポートピアホテルで同級4位・モイセス・カジェロス(28)=メキシコ=との初防衛戦を行うと発表した。この日で95年1月17日の阪神大震災から丸23年。同年4月に大阪・堺市で生まれた山中は、神戸市内の同ジムで会見し、中学時代からボクシングに打ち込む第2の故郷・神戸に勇気、感動を届けるV1を誓った。

 昨年8月に前王者・福原辰弥(28)=本田フィットネス=に判定勝ちし、世界王座を奪取してから約5か月。初防衛戦が決まった山中は「王者になって神戸で防衛戦をしたかった。自分の試合で勇気、感動を与えられたらいい」と決意を述べた。

 23年前の1月17日。妊娠7か月だった山中の母・理恵さん(46)は名古屋市に住んでいたが、早朝の大きな揺れに驚き、こたつへ潜り込んだという。同年4月に生まれた22歳は「母は今でも地震の揺れにすごく怖がる。当時は大きなおなかで大変だったと思う」と感謝を口にした。

 所属ジムの山下正人会長(55)は震災当時、兵庫県警の警察官。神戸市内の遺体安置所に詰めていた。退職して真正ジム開設後、中学生で入門してきた山中を指導。「神戸で試合をするのも何かの因果。神戸への思いを伝えてほしい」。陣営は防衛を重ねれば、年内にも同級のIBF王者・京口紘人(24)=ワタナベ=との統一戦を見すえる。

 山中は昨夏の福原戦で左眼窩(がんか)底を骨折。手術したため、本格的スパーリングは2月から。今月下旬から神戸震災復興記念公園で、同僚で2階級制覇を目指す前WBA世界スーパーバンタム級王者・久保隼(27)らとの走り込みをスタートする。カジェロスは昨年2月の王座決定戦(熊本)で福原に1―2で判定負けしたが、右の強打が脅威だ。山中は「打たせずに打つ。気持ちは挑戦者で、王者のボクシングをする」と意気込んだ。(田村 龍一)

 ◆山中 竜也(やまなか・りゅうや)1995年4月11日、大阪・堺市生まれ。22歳。小学6年から競技を始め、中学2年で真正ジム入り。高校には進まず12年6月にプロデビュー。16年11月、東洋太平洋ミニマム級王座獲得。17年8月、WBO世界同級王座奪取。身長162センチの右ボクサー。家族は母、弟3人、妹2人。弟・大貴さん(19)は元プロボクサー。

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