ボクシング連盟、東京五輪での除外は断固反対…強化へ“アマ王座”復活決定

スポーツ報知

 日本ボクシング連盟は10日、大阪市内で定例の理事会を開いた。4日に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、2020年東京五輪でボクシングを実施競技から除外する可能性を示唆してから初めての理事会で、同連盟の山根明会長(78)はボクシング実施への強い意思を示した。また、理事会では東京五輪へ向けた選手の意識向上のため、1984年ロサンゼルス五輪の予選時以来、約25年ぶりにアマの「ベルト争奪戦」を復活させることを決めた。

 国内アマボクシング界トップの山根会長は理事会後、「自国開催の五輪で(ボクシングを)絶対に実施したい」と、きっぱり語った。国際ボクシング協会(AIBA)の組織統治や不可解な判定が問題視されているボクシングについて、IOCのバッハ会長が4日、東京五輪で除外する可能性を示唆した。山根氏は“断固反対”の姿勢を示しながら、「今日の理事会で、その話はしなかった。これはIOCとAIBAの問題で、我々が今どうこう言える立場にない。AIBAとはやり取りできるが、今は静観する」と、推移を慎重に見守るという。

 16年リオ五輪で不可解判定や八百長疑惑が出たAIBAは、昨年11月に呉経国会長(台湾)が規約違反を指摘され辞任。会長代行のラヒモフ副会長(ウズベキスタン)は、米財務省から「ウズベキスタンの代表的な犯罪者の一人で、ヘロイン売買に関わる重要人物」と指摘されている。

 AIBAの元常任理事でもある山根氏は、当初から「(除外なら)我々が黙っちゃいない」と徹底抗戦の構えを見せていたが、この日はAIBAへの働きかけなど、具体策を示すことは避けた。AIBAはIOCに提出済みの報告書が不十分とされ、再提出を求められている。提出期限の4月末あたりまで山根氏は事態を注視する考えのようだ。

 理事会では東京五輪への強化策として、アマのチャンピオンベルト復活を決定。ベルトのデザインこそ変わるが、赤井英和(58、俳優)らが保持した“アマ日本王座”を東京五輪代表選考の参考材料とする。昨年の全日本選手権覇者を王者とし、同連盟が国内の強豪を挑戦者に指名。3月23日に宮崎市内で7階級による1回目のベルト争奪戦を行い、東京五輪まで年3回ペースで実施する。山根氏は「五輪へ、選手の意識向上のため」とした。世界の騒動を気に留めつつ、東京五輪へと準備を進めていく。

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