ネリ、山中KO宣言「プレッシャーに弱い」弱点突く

スポーツ報知
チャンピオンベルトを肩に上半身裸でポーズをとるネリ(カメラ・清水 武)

◆報知新聞社後援 プロボクシング▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ルイス・ネリ―山中慎介(3月1日、東京・両国国技館)

 前WBC世界バンタム級王者・山中慎介との初防衛戦(報知新聞社後援)に挑む同級王者ルイス・ネリが、報道陣にも接近戦を仕掛けた。都内の帝拳ジムで22日、練習を公開。前に圧力をかけて攻め込むスタイルの王者は、練習中にパンチを打ちながらカメラ目線で写真撮影。昨年8月の王座奪取時と同じく「プレッシャー(圧力)に弱い」と分析した山中の弱点を突く試合展開を予告した。

 ネリが止まらない。シャドーやミット打ちのインターバルでも、カメラマンの前でポージング。カメラ目線でサンドバッグを打つなど、約40人の報道陣に強打を見せつけた。縄跳びは鏡を見ながら行うのが普通だが、わざわざ報道陣の方を向いて跳び続け「日本が大好き。戻りたいと思っていた」と心地よさげに笑ってみせた。

 全てのメニューを終えて一礼すると、ジム内に貼ってある今回の興行用ポスターに歩み寄り、山中の顔写真に拳を突き出した。報道陣からのリクエストはなくてもサービス精神旺盛。「メキシコのワシだよ」と、昨年8月にはなかった胸のタトゥーも自慢げだ。ミット打ちの最後は20発以上の連打で締め「(山中は)プレッシャーに弱い。圧力をかけたら何をしていいか分からないままだった」と指摘。「その弱点を突いて戦う。KOで終わる」と堂々と宣告した。

 王座奪取に成功したが、直後にドーピング問題が発覚。「食品汚染によるものだった」と、検査前に薬物の成分を含むメキシコ産の牛肉を摂取したことを理由に挙げていた。意図的摂取の証拠がないことなどから不問となったが「米サンディエゴで食材を買うようになった。サーモンとマグロもね」と、今回はオーガニック食品で体づくり。2か月前から雇う栄養士も帯同し「日本は安全だから大丈夫だね」とご機嫌だった。

 陣営10人を引き連れ、ジム内で集合写真をパシャリ。昨年12月16日には第1子となる長女アリソン・サマラちゃんが誕生した。「このベルトは彼女のもの。だから持って帰らないといけない」。母国では山中戦の映像が繰り返し放送されて知名度もアップ。昨夏を転機に成り上がった王者は、絶好調をアピールして決戦のリングに上がる。(浜田 洋平)

 ◆山中―ネリ戦VTR(2017年8月15日・島津アリーナ京都) 勝てば13戦連続防衛の日本記録に並ぶ王者・山中は、立ち上がりに右ジャブで距離を取り、相手の前進を止めた。挑戦者のネリが打ち込んでくると足を使ってかわすなど狙い通り。しかし、次第にネリが回転力を生かした連打を繰り出し、ペースを握り始めた。迎えた4回、山中はパンチをもらい後退したところでラッシュを浴び、セコンドからタオル投入。ネリが4回TKO勝ち。

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