関西人らしい山中のノリの良さ…担当記者が振り返る

2018年3月2日9時0分  スポーツ報知
  • 引退を表明した山中慎介

 ◆報知新聞社後援プロボクシング・ダブル世界戦 ▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ ○ルイス・ネリ(2回TKO)山中慎介●(1日、東京・両国国技館)

 元WBC世界バンタム級王者・山中慎介(35)=帝拳ジム=が、現役引退を表明した。前同級王者ルイス・ネリ(23)=メキシコ=に2回1分3秒でTKO負け。前日計量で大幅超過した相手との体重差や体力のハンデを背負った試合。昨年8月にV13を阻まれ、ドーピングなど悪質な行為を繰り返したネリに雪辱はならなかった。歴代担当記者が山中の足跡を振り返った。

 山中は試合前日(2月28日)、ネリの2・3キロ超過を聞いた瞬間に「ふざけんな、お前!」と声を荒らげた。一瞬で沸点に達した怒りの表情からは、すぐに失望感がにじみ出た。減量でこけた頬も相まってそう見えたのかもしれない。計量台に乗る時には悔しさから目が潤んだ。最初の叫びからわずか20秒ほど。怒り、失望、悔しさ…3つの感情が一気に頂点に達した姿は、恐ろしくもあった。

 ノリの軽さにいい意味で裏切られた。テレビで見てきたV12の神の左は、意外にもジムまで電車通勤。取材後の別れ際に「普通に乗ってますよ」と人混みに紛れていった。初めて1対1で話を聞いた時は、私の緊張を察したのか、下ネタで和ませてくれた。テレビ収録を見学させてもらった時には、スタジオで私を見つけ「あっ、日刊スポーツの?」と、とぼけ顔。「報知です!」というツッコミを待つ顔は、関西人らしかった。

 試合直前は家族と離れてホテル生活。公式行事を消化するにつれ、眉間にしわが寄り、目のぎらつきが増した。「徐々に家族って感じではなくなる」と優しいパパからボクサーに変化する過程。その途中で見せた計量時の激しい感情の揺れは、このリングに懸けてきた証しだと感じた。それだけにネリの失態を受け入れられない。(2018年~担当=浜田 洋平)

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