高山勝成、7月にもアマデビュー 東京五輪へ“戦う”調停申し立て

スポーツ報知
調停を申し立て、会見した高山(左から2人目、右から中出トレーナー、名古屋産大・高木学長、1人おいて岡筋主任弁護士=カメラ・田村 龍一)

 昨春にプロを引退して20年東京五輪を目指す元主要4団体世界ミニマム級王者・高山勝成(34)=名古屋産大=が19日、大阪市内で会見。五輪をアマの舞台と位置づけ、自身のアマ選手登録を認めない日本ボクシング連盟(山根明会長、78)と上部組織の日本オリンピック委員会(JOC)を相手に、同日付で日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に調停を申し立てたことを発表した。原則3か月以内に終了する調停でアマ登録が認められれば、最短で国体と全日本選手権の予選を兼ねる7月の愛知県選考会でのアマデビューを見据える。

 調停に踏み切った高山は「2020年に37歳になる自分にとって、東京五輪はラストチャンス。話し合う席を設けていただきたい」と強調した。会見に同席したスポーツ紛争に精通する弁護士らに早期決着を託す一方で「アマチュア登録し、国体であったり国内で戦える試合で日本代表の座を奪っていきたい」と見据えた。早ければ、今秋の福井国体の予選となる7月の愛知県選考会からアマデビューを果たしたい意向だ。

 アマで12年ロンドン五輪ミドル級金メダル、プロでWBA世界同級王座を獲得した村田諒太(32)=帝拳=の存在が励みになっている。アマは3ラウンドで決着するがプロは12ラウンド戦う。「村田選手はスプリントからマラソンへの転向を成功させた。自分はその逆。マラソンからスプリントへアジャストできるように」。昨夏に手術した両まぶたの傷も癒え、ゴールデンウィーク明けにもスパーリングを再開する。

 先月には、自身のアマ登録に賛同する約2万5000人分の署名が入ったデータをJOCの橋本聖子副会長に提出。日本連盟にも署名やアマ登録申請書類を持参したが門前払いされた。日本連盟の山根会長はこの日、調停申し立てを受け「何でもしてください。アマの選手じゃない。(取り合う気は)ありません」と話した。

 高山は上部組織のJOCも調停の相手方として申し立てており、岡筋泰之・主任弁護士は「話し合いにも応じない日本ボクシング連盟に対し、JOCから指導、助言していただくため」と説明した。「東京五輪出場を信じてトレーニングに精進していくだけ」と高山。2年後の夢舞台をイメージしてベストを尽くす。(田村 龍一)

 ◆高山の東京五輪への道 予選の詳細は未定。前回リオ五輪予選を踏襲なら、高山はアマ選手登録が認められた場合、開催国枠または大陸予選や世界最終予選の上位での五輪代表選出を狙うことになりそうだ。プロ時代にミニマム級(47・6キロ以下)の高山は、アマではライトフライ級(46キロ超~49キロ)かフライ級(49キロ超~52キロ)での参戦が濃厚。国際オリンピック委員会(IOC)が、東京五輪でボクシング競技を除外しないことが前提だ。

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