IBF世界スーパーウエルター級2位決定戦 激闘制した井上が世界挑戦へ前進

スポーツ報知
IBF世界ウエルター級2位決定戦を制した井上岳志

 IBF世界スーパーウエルター級9位・井上岳志(28)=ワールドスポーツ=が同級2位決定戦を制した。同級11位・野中悠樹(40)=井岡弘樹=に3―0で判定勝ち。力強い右フックなどを浴びせ続け、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック同級王者の底力を発揮した。次戦は同級1位ジュリアン・ウィリアムス(米国)との指名挑戦者決定戦に挑む。戦績は井上が13勝(7KO)1分け。野中は31勝(10KO)10敗3分け。

 井上が互いに流血する激闘を制した。序盤からガードを固めながら圧力をかけると、3回に踏み込みながら右を当ててぐらつかせた。中盤は距離を取ってポイントアウトを狙うベテランの相手に苦戦。しかし、6回には右フックからコーナーにつめ、連打で流れを引き寄せた。ラウンド終了のゴングが鳴ると、両者笑みを浮かべるシーンも。互いに勝負を楽しむように拳を交えた。

 8回には、井上が強烈な左フックをヒット。最終12回は、壮絶な打ち合いに後楽園ホールが破裂しそうな大歓声が響く。「(野中は現役で)この試合がラストだという感じだった。最終ラウンドにその気持ちが伝わった。自分も出し切らないと失礼だなと」。グングンと前に出てくる野中に対し、手を緩めることなく拳で応えて判定勝ちを収めた。

 試合終了のゴングとともにともに笑顔を見せて、健闘をたたえ合った。「とても強い選手でした。もう少し早く崩れると思ったんですけど。長丁場だと心が折れそうになる時もある。応援一つ、一つが心に響きました。野中選手の世界に対する気持ちを持って、世界に行けたら」。世界挑戦に向けて汗を流す理由が増えた。

 見守った斉田竜也会長は「馬力はある。トリッキーさは世界共通でやりにくいボクサーだと思う。世界に向けてゆっくり進んでいる」と評価。次戦は指名挑戦者決定戦を予定。井上は「少し休んで、また一日、一日を大切にして、世界チャンピオンになる確率を上げて、チャンピオンになりたい」。経験値を積んで、世界への階段を上る。

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