【西岡利晃 ジャッジ】ロマチェンコVSリナレス、ここまで拮抗するとは

スポーツ報知
西岡利晃氏

◆WBA世界ライト級タイトルマッチ ○ワシル・ロマチェンコ(10回2分8秒 TKO)ホルヘ・リナレス●(12日、米ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン)

 7回がボクサーとして勝負所だった。6回にダウンを奪ったリナレスは前に出たかったけど、1回から常に自分の距離を潰しにこられ、圧力とパンチをもらって消耗していた。

 対して、ロマチェンコは7回以降にリナレスの右が合っていたことを察知して、行きすぎない。でも、死地に入らないと勝てない。苦しいけど、逆に前に出て押さえ込んだ。あそこで勝負するすごさがある。ペースを持っていかせないようにするのがうまかった。勝負強さもあり、百戦錬磨なので勝負所を押さえていた。1階級上げた影響も感じない。計量時の体を見てもナチュラルでダブつきもなかった。

 (自身と同じ帝拳ジムの)リナレスは、武器のすごく速いコンビネーションを見せた。ここまでロマチェンコに拮抗(きっこう)した選手はいない。「本当にご苦労さん。ゆっくり休んでくれ」と言いたい。歴史に残るすごく大きなファイトだった。(元WBC世界スーパーバンタム級王者)

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