井上尚弥の対戦相手・マクドネル、任意の計量を拒否

スポーツ報知
予備検診を受ける井上尚弥(左)と視線を合わせない王者のマクドネル(右)(カメラ・伊藤 明日香)

◆プロボクシング ダブル世界戦▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ジェイミー・マクドネル―井上尚弥(25日、東京・大田区総合体育館)

 WBA世界バンタム級2位・井上尚弥の挑戦を受ける王者ジェイミー・マクドネルが、任意の計量を断固拒否した。ダブル世界戦の予備検診が22日、都内で行われ、計量失敗が危惧される王者は井上陣営の求めた体重チェックに応じず、ピリピリムード。1階級上げて3階級制覇を狙う井上はフルパワーで終えた調整に自信をみせた。

 王者は拒み続けた。マクドネルの計量失敗を危惧した興行主の大橋ジムが、日本ボクシングコミッション(JBC)を通じて出場選手に任意の計量を打診。だが、JBC関係者によると「セコンドもみんな、『嫌だ』とかたくなに拒否していた」。

 通常は予備検診で計量する必要はなく、王者陣営は公式計量で使われるはかりを見た途端に表情を曇らせたという。セミファイナルの拳四朗とロペスは快く臨んだが、王者が断固拒否したことを受けた井上も計量しなかった。

 この日測ったマクドネルの身長は、バンタム級では長身の175・5センチ。公称より2・5センチ低く、腕や足は細身だが、胸囲96センチを踏まえると、リミット53・5キロまでの減量は不安視される。これまでは減量に苦しみながらも、5度の防衛に成功。井上と初対面し「会ってみて雰囲気を感じられてよかった。身長、リーチを生かして戦いたい」と笑顔を見せたが、調整方法の質問には、陣営が「同じ質問を違う言い方で何度もしている。それはやめてほしい」と、いら立ちを見せた。

 井上は「思ったより体格がしっかりしている」と王者の印象を語った。自身は前戦までのスーパーフライ級より1・4キロ重いバンタム級。減量苦が軽減され「1・4キロの差はすごくデカイ。状態もいいし、改めて適正階級だなと思う」と状態の良さをうかがわせた。

 21日の最後の練習を見守った大橋秀行会長(53)も「昨日(21日)の練習前はリミットまで1・8キロ。いつもはもっとゲッソリしているが、フルパワーで打っていた」と自信。減量期のストレスも少なく、思う存分に調整してきた。体重超過が心配される王者に対し、過去最強の井上尚弥で3階級制覇を狙う。(浜田 洋平)

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