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鈴木みのるは2年連続で雪の札幌テロリストになるか…金曜8時のプロレスコラム

2018年1月26日8時0分  スポーツ報知
  • 雪の札幌メインに挑む鈴木みのる

 1・4東京ドームで敗者髪切りデスマッチに敗れスキンヘッドになった鈴木みのる(49)=鈴木軍=が27日に北海道立総合体育センター(北海きたえーる)で、王者・棚橋弘至(41)の持つIWGPインターコンチネンタル選手権に挑戦する。1・4では髪を失ったばかりか、後藤洋央紀(38)にNEVER無差別級王座まで明け渡した男が、月をまたがずしてメインイベントでさらに格上のタイトルに挑む…。

 ランキング制度があったならば、あり得ない話だが、これは理不尽な鈴木軍の実力行使ならではというよりも、ファンが鈴木を求めているということだろう。ドームでは敗者だったはずが、リング上で自ら断髪してみせ男を上げた。勝った後藤よりも輝いていた。

 鈴木と棚橋は、2012年の1・4東京ドームで棚橋が保持していたIWGPヘビー級選手権を争っている。試合は棚橋が25分59秒、ハイフライフローからの片エビ固めで防衛。“エース”棚橋もさることながら、今年6月に50歳になる鈴木のタフさ、しぶとさ、憎まれっぷりには驚かされる。

 「新日本道場の鬼から生まれ、神様と呼ばれた男に育てられた」と言う鈴木。鬼とは藤原喜明、神様とはカール・ゴッチのことを意味する。ストロングスタイルの関節技をマスターしているということだが、藤原には“関節技の鬼”とは別に“テロリスト”という顔もあった。

 1984年2月3日に札幌中島体育センターで藤原喜明が、長州力の入場時に花道で襲い、大流血させて、藤波辰巳(現辰爾)とのタイトルマッチ(WWFインターナショナルヘビー級選手権)をぶち壊した“雪の札幌テロ”が歴史に刻まれている。

 昨年、鈴木はそのオマージュをやってのけた。昨年2月5日の「復活!雪の札幌決戦」(北海きたえーる)で、オカダ・カズチカ(30)の持つIWGPヘビー級王座に挑んだ鈴木は、前日の調印式でオカダを襲撃し、右膝を破壊した。試合は40分46秒、オカダのレインメーカーから片エビ固めで敗れたが、1年後も雪の札幌の挑戦者になってみせた。

 勝つことに期待していないと書けば怒られるだろうが、負けて輝く男の生き様は、かつての藤原喜明が見せた“やられの美学”に通じるものがある。いや、違う。鈴木にはタイトル強奪という波乱を期待させる風が吹いている。(酒井 隆之)

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