国際体操連盟新会長に渡辺守成氏が就任 ビデオ採点システムの実用化推進

2016年10月20日6時0分  スポーツ報知
  • 五輪実施競技の国際団体の歴代日本人会長

 国際体操連盟(FIG)は19日、都内での総会で会長選を行い、日本協会の渡辺守成専務理事(57)が100対19で欧州連合のジョルジュ・グルゼク会長(68)=フランス=を破って初当選。渡辺新会長は20年東京五輪へ、3D映像による自動採点システムの実用化に意欲を示した。任期は17年1月1日から4年間で、アジア人初の会長。日本人が五輪で実施される国際競技団体(IF)会長に就くのは、94年まで国際卓球連盟会長だった荻村伊智朗氏以来4人目。

 満場の拍手に、渡辺新会長は両手を広げて絶叫した。「我々は五輪の時だけに注目されるスポーツではない。体操は今もこれからも“キング・オブ・スポーツ”だ」。リオ五輪で内村航平ら男子代表が団体3大会ぶり金メダルに輝いたことも追い風に、4人目の日本人IF会長が誕生した。

 政策の目玉は、富士通が開発する映像技術を活用したビデオ採点の導入。3Dレーザーセンサーやデータ処理技術を駆使し、倒立の角度や肘の曲がりを即座に数値化する仕組みを利用する。「体操の一番の問題は(一般客に)何となくすごい、としか伝わらないこと」。映像化で競技の分かりやすさは大幅に向上する。技の高度化に伴い、人間の目だけに頼って裁くのも困難だ。早ければ来年に国内大会で試験導入し実用化を進める方針。グランディ現会長も「20年はより公正な判定ができる」と期待した。

 国内団体の会長を経ず、専務理事からIF会長へ昇格するのは異例。切り札はロビー活動での票固めだった。「体操を発展させ、内村や白井がサッカー選手並みの知名度になるようにしたい」と、立候補を決めた2年前から102の国・地域を訪問。アフリカや中南米など発展途上の国々の声にも丁寧に耳を傾けて信頼関係を深めた。「礼儀正しさや真面目さといった、日本人の特性も評価された」と振り返った。

 トップ選手としての実績はないが、84年にイオンへ入社し新体操教室の事業展開などで養ったビジネス感覚は魅力だ。歴史小説が好きで三国志の諸葛孔明や戦国時代の竹中半兵衛ら、名軍師の生き方を手本にして「参謀タイプ」を自任してきた。今後は名実ともにトップに立つ。「20年東京五輪へ、IFの会長として体操のプロモーションを大々的に行いたい」。並々ならぬ意欲で体操界を牽引していく。(細野 友司)

 ◆渡辺 守成(わたなべ・もりなり)1959年2月21日、北九州市生まれ。57歳。戸畑高2年から本格的に体操を始め、東海大、ブルガリアへの指導者留学を経て84年にジャスコ入社。新体操の普及に尽力し、97年に日本体操協会理事。2001年常務理事となり、09年から専務理事。国際連盟でも13年から理事。

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