【箱根駅伝】今回も最強青学大、V3&年度3冠の同時達成!

2017年1月4日5時30分  スポーツ報知
  • 箱根駅伝3連覇を決めた青学大アンカーの安藤はガッツポーズで仲間の待つゴールに飛び込んだ

 ◆報知新聞社後援 第93回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109・6キロ)

 往路優勝の青学大が復路も5時間30分25秒で制し、総合11時間4分10秒の完全優勝で、史上初の箱根3連覇&年度3冠の同時達成の快挙を成し遂げた。往路でタスキが破れかけるアクシデントと7区・田村和希(3年)が脱水状態であわや途中棄権という2つの大ピンチを克服。「サンキュー大作戦」が大成功した。(晴れ、気温マイナス0・5度、湿度78%、北西の風0・3メートル=復路スタート時) 駅伝の象徴、タスキを誇らしげにかけた青学大の安藤主将がV3&3冠のゴールテープを切った。「チーム全員の思いがつまったタスキを無事に大手町に運ぶことができてホッとしています。3連覇、3冠のプレッシャーを感じて、3週間、眠れなかった」と安藤は感慨深い表情で話した。

 史上6校目の大会3連覇と史上4校目の年度3冠。同時達成は初の偉業だ。往路、復路の完全Vによる年度3冠も初めて。2位・東洋大との差は昨年よりさらに10秒広がり、7分21秒差の圧勝だった。しかし、その裏には2つの大ピンチがあった。

 往路の選手が違和感を感じながら走ったフレッシュグリーンのタスキ。1区の梶谷は何度もかけ直し、2区の一色は校名が見えないほどよじれた。往路ゴールで受け取った吉田伊吹マネジャー(4年)は、タスキの重大なトラブルに驚いた。「(タスキの端を通す)穴が破れかけて1ミリしかつながっていなかった。裁縫男子ではないけど、宿に裁縫セットを借りて何重にも縫い直しました」と明かした。危機を救った吉田マネジャーのファインプレーを復路ゴール後に聞いた安藤は「往路をテレビで見ていて、なんで、みんなタスキを何度もかけ直しているんだろう、と思っていた。伊吹が直してくれたおかげで復路の選手は気持ちよくかけられた。感謝です」と話した。

 もう一つのピンチは復路のエース田村のまさかのブレーキだった。昨年末の30日に風邪で寝込んだ影響で12キロ過ぎに脱水状態に。「残り6キロは特に長かった。最悪の事態(途中棄権)も頭をよぎった」と田村。区間11位と失速し、2位・早大とは二宮(11・6キロ)で2分52秒まで開いた差が、最後は1分21秒まで詰め寄られた。

 嫌な流れを断ち切ったのは、同期の8区・下田だった。ぎりぎりで平塚中継所にたどり着いた田村からタスキを受け取ると「任してくれ!」と走り出した。山梨学院大の古田哲弘が1997年大会でマークした最古の区間記録まで16秒に迫る圧倒的な区間賞で勝利をほぼ決定づけた。

 救急車で平塚市内の病院に運ばれた田村は治療を受けた後、東京・町田市の寮で静養するつもりだったが、移動中の車内のテレビで力走する安藤の姿を見て気が変わったという。「大手町に行って、早くみんなにありがとうと言いたかった」。ゴールの2時間後、再合流した田村を中心にゴール直後のような歓喜が広がった。

 昨年の東京マラソンで10代日本最高記録(2時間11分34秒)を出した下田を“つなぎ区間”の8区に配置できる厚い選手層。先月26日の登録メンバー16人以外による1万メートル学内記録会では、11人が他校なら戦力になる29分台をマークした。

 それでも簡単に勝てないのが箱根路だ。冷静なエース一色でも感極まり「安藤がゴールに来る前に泣いちゃいました。前々回はチームの厳しさ、前回は走力、今回は総合力で勝った。みんなに感謝したい」と目を赤く腫らした。チーム全員がそれぞれ「感謝」を口にする姿に原晋監督(49)は満足そうに言った。「これこそサンキュー大作戦。完遂です」。苦しみながら、しかし青学大は今年も強かった。(竹内 達朗)

 ◆タスキ 端の部分に切れ込み穴があり、その部分にもう一方の端を通した上で結び目を作り、輪の状態にした上で長さを調節する。日本陸連の「駅伝競走規準」の第9条ではタスキについて「布製で長さ1.6~1.8メートル、幅6センチを標準とする。必ず肩から斜めに脇の下に掛けなければならない」(抜粋)と定めている。もし、今回、青学大のタスキの切れ込み穴がちぎれて輪の状態にならなかった場合、タスキリレーの度に端と端を結んだり、ほどいたりする必要が生じ、タイムロスが懸念された。

 ◆総合3連覇以上 青学大が2015年から総合3連覇。過去の総合3連覇以上は1959~64年(6連覇)の中大、69~73年(5連覇)の日体大、35~38年(4連覇)の日大、86~89年(同)の順大、2002~05年(同)の駒大の5例。そのうち、往路&復路をともに1位で完全優勝で3連覇以上したのは、1935~38年に日大が完全優勝で4連覇して以来2度目。

 ◆過去の同一年度3冠

 ▽1990年度=大東大 出雲は、箱根で山下りのスペシャリストと呼ばれた島嵜貴之(3年)、全日本は実井謙二郎(4年=アトランタ五輪マラソン代表)の活躍でV。箱根は5区で現在大東大の監督を務める奈良修(2年)が快走。

 ▽2000年度=順大 岩水嘉孝(3年=アテネ、北京五輪の3000メートル障害出場)、高橋謙介(4年)を擁し、ライバルの駒大らを抑え出雲と全日本でV。箱根では往路2位だったが、復路で往路Vの中大を6区で逆転した。

 ▽2010年度=早大 矢沢曜(3年)らタレントがそろい、出雲では日体大、全日本では駒大を抑えて優勝。箱根ではスーパールーキーの大迫傑(リオ五輪1万メートル、5000メートル出場)を1区に置き、5区で一度は逆転されたが、復路で八木勇樹(3年)らが順当にリードを広げ2位の東洋大を突き放した。

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