【箱根駅伝】青学大・原晋監督インタビュー!V3&3冠、次はマラソン復活大作戦

2017年1月5日12時0分  スポーツ報知
  • 箱根駅伝で総合優勝したスポーツ報知を熟読する原監督(中央)
  • 第93回東京箱根間往復大学駅伝競走で3連覇の3を示し記念写真に納まる青学大チーム
  • ゴールする青山学院大・安藤悠哉

 箱根駅伝(2、3日)で完全優勝し、史上初の大会3連覇&年度3冠を同時達成した青学大の原晋監督(49)が快挙から一夜明けた4日、スポーツ報知のインタビューに応じ「日本マラソン復活大作戦」の全容を披露。大企業所属の実業団選手だけではなく、中小企業をスポンサーとする個人選手の拡大と強化を訴えた。また、悩みに悩んだ区間配置や2区・一色恭志(4年)の後継者候補など自チームについても大いに語った。(取材・構成、竹内 達朗)

 「サンキュー大作戦」を掲げて偉業を成し遂げた原監督は早速、次なる野望を明かした。

 「日本のマラソン強化に携わりたい。昨年11月に日本陸連の長距離・マラソン強化戦略プロジェクトのリーダーに就任された瀬古(利彦)さんは、従来の練習法を尊重するとともに新しいチャレンジに対しても柔軟な考えを持っていると思う。20年東京五輪はすぐにやってくる。劇的な変化を恐れていては進歩はない。古巣の中国電力、有能な花田(勝彦)監督と渡辺(康幸)監督がそれぞれ率いるGMOアスリーツ、住友電工とタイアップし、互いの練習方法の長所を取り入れたり、指導者や選手同士が刺激し合うことは大きなプラスになる」

 中国電力のサラリーマン時代“カリスマ営業マン”の異名を取った指揮官は、環境づくりにも斬新なアイデアを持つ。

 「大手企業の実業団チームだけ頼っては進歩はない。元気のいい中小企業に個人スポンサーとなってもらい、マラソンの競技人口とスポンサー数を増やす。チームを丸抱えすると年間、何億円も必要になるが、選手1人の個人スポンサーであれば、給料や合宿費などを含めて年間1000万円ほどで済むだろう。中小企業の支援を受けた選手は自ら指導者を選ぶ。出身の大学チームに残ったり、社会人選手として別の大学チームに行くのもありだろう」

 原監督は実業団選手が自由に移籍できない制度に疑問を呈する。

 「入社してみたら練習方法や環境が合っていなかった、という選手は移籍した方がいい。移籍希望が、単なるわがままなのか、真摯(しんし)に競技を考えてのことなのか、真っ当な指導者であれば分かるはず。移籍した選手が活躍されたら困るとか、そんな狭い了見では世界に太刀打ちできない。チーム・ジャパンとして戦っていかなければならない」

 箱根駅伝での盛り上がりが選手の燃え尽き症候群につながり、弊害となっているという声に対しては完全否定する。

 「ライバルは野球、サッカーなど別のスポーツ。箱根駅伝人気は中学生、高校生の競技人口を増やすという大きなメリットがある。箱根駅伝人気を社会人の強化につなげることが重要だ」

 青学大は今回の箱根駅伝も2位の東洋大に7分21秒差、距離にして2キロ以上の差をつける圧勝だった。原監督は、今だからこそ話せる“幻”の区間配置を明かした。

 「実は区間配置は悩みが多かった。秋の駅伝シーズンに入った当初、1区は鈴木塁人(1年)、5区は内田翼(4年)と考えていた。しかし、内田は11月に右足甲を傷めて戦線離脱。鈴木も登録メンバー16人(12月10日締め切り)に入った後、左すねを故障した」

 結果的に出場を果たした選手にもトラブルが続出していた。

 「9区の池田生成(4年)は10、11月は貧血でほとんど走れなかった。8区の下田裕太(3年)は12月に足首を捻挫し、3日間、全く走らなかった。3区の秋山雄飛(4年)は12月下旬の5キロで21分もかかるし。7区の田村和希(3年)も年末の30日に風邪で寝込んだ。区間配置プランは何通りも考えた。2区の一色恭志が常に安定していたのはさすがだった」

 そのエースは今春、卒業する。一色が3年連続で担った2区の後継者候補には3人の名前を挙げた。

 「下田、梶谷瑠哉(2年)、鈴木だろう。ただ、これから急成長する選手にも期待したい。一色の穴はやはり大きい。高いレベルで争ってほしい。田村和希が生きる区間は1区か3区だろう」

 過去、箱根駅伝で3連覇を達成したチームは4連覇以上を達成している。青学大にとっては吉兆だ。

 「下田を3年連続で8区に配置できるようなチームを作れれば絶対に強い。下田には次こそ、最古の区間記録(1997年、山梨学院大・古田哲弘)を破ってもらいたいという思いもある」

 直近の学生3大駅伝は7戦6勝、2位1回。原監督は「日本マラソン復活大作戦」を遂行するためにも、大学駅伝界での活躍を期す。

 「青学大で勝ち続けてこそ、私の提言も説得力が伴う。これからも批判を覚悟の上で、日本陸上界の劇薬でありたい」

 ◆原 晋(はら・すすむ)1967年3月8日、広島・三原市生まれ。49歳。世羅高3年で全国高校駅伝4区2位。中京大3年で日本学生5000メートル3位。89年、中国電力陸上部に1期生で入社。93年に主将で全日本実業団駅伝初出場。27歳で引退、一般社員に。行動力とアイデアで「カリスマ営業マン」と呼ばれた。04年に青学大監督に就任。箱根駅伝3勝、出雲駅伝3勝、全日本大学駅伝1勝。家族は妻・美穂さん(49)。

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