【箱根への道】ユニバでハーフ金、来年フルマラソン…2区区間賞神奈川大エース・鈴木の野望

2017年2月15日15時0分  スポーツ報知
  • 今年の箱根駅伝2区で区間新を記録した神奈川大・鈴木
  • 箱根駅伝2区区間賞の力走で戸塚中継所にトップで飛び込む神奈川大・鈴木

 今年の箱根駅伝(1月2、3日)の「花の2区」で区間賞を獲得したのは“伏兵”の神奈川大・鈴木健吾(3年)だった。青学大のエース一色恭志(4年)らに堂々と競り勝ち、神奈川大史上初めて往路の戸塚中継所をトップ通過。総合5位、12年ぶりのシード権(10位以内)獲得の立役者となった。2区1時間7分17秒の走破タイムは歴代10位の好記録。2017年度大学駅伝界の主役候補が学生ラストイヤーの目標、さらに2020年東京五輪に懸ける思いなどを明かした。

 上って下って再び上る。歴代の学生トップランナーを苦しめてきた権太坂から戸塚中継所までの2区終盤の難所を、鈴木は軽やかに駆け抜けた。一色、駒大の工藤有生(3年)、東洋大の山本修二(2年)、そして、東海大のスーパールーキー関颯人と形成していた先頭集団を抜け出すと、あっという間に差を広げた。

 「14~15キロまで集団の流れに乗って楽をさせてもらっていたので余裕があった。本当の強い走りができたのか、と自問すれば、そうでもないと思います」

 謙遜するが、区間2位の拓大デレセ(2年)に33秒の大差をつける圧巻の区間賞。1時間7分17秒は歴代10位、日本人選手では歴代5位の好記録だった。特に権太坂からの残り約8キロは山梨学院大のモグスが持つ区間記録とほぼ同じだった。

 「設定は1時間8分だったので、自分でも驚きです。レース後、一色さんに『強かったね』と言ってもらえたことはうれしかったし、スポーツマンシップに感動しました」

 箱根駅伝では1年時6区19位と大ブレーキ。2年時は2区を任されたが、14位。目立った活躍がなかったが、大きな故障をせず、地道な練習を継続した結果、3年時に飛躍した。昨年5月の関東学生対校2部1万メートルでは終盤まで駒大の中谷圭佑(4年)、一色と優勝争いを演じて3位。存在感を示し、新春の2区激走で一躍、全国区となった。それでも、あくまで謙虚だ。

 「大学や寮の近所で声をかけてもらうことが増えた。箱根駅伝2区区間賞の反響は大きいし、自信になった。ただ、やることは変わらない。今までと同じくコツコツと練習を続けるだけです」

 1~8日は東京・伊豆大島で合宿を行った。多い日は60キロ。8日間で計340キロを走破。1日平均42・5キロ。毎日がフルマラソンだ。

 「今は3月5日の日本学生ハーフマラソンに向けて走り込んでいます」

 同大会は8月の台湾・台北ユニバーシアード男子ハーフマラソン日本代表の選考会。目標は定まっている。

 「新年度前半の最大の目標はユニバーシアードの金メダル。そのためにも日本学生ハーフでは優勝を目指します。最低限3位に入り、代表権を確保したい」

 17年度後半はチームとしても個人としても、さらに高い目標を掲げる。今年の箱根駅伝で神奈川大は5位と大健闘。97、98年に連覇した後、低迷していたが、12年ぶりにシード権を取り戻した。鈴木に加え、1区5位の山藤篤司(2年)ら今回の出場メンバー7人が残る。今年度、3年生ながら主将を務め、最終学年でも当然、神奈川大を率いる鈴木は力強く話す。

 「チーム全員が来年の箱根駅伝で優勝を目標に掲げています。まず往路優勝を目指し、総合優勝にもチャレンジしたい。今回、優勝した青学大とは10分49秒差。現時点で大差があるが、可能性はあると信じています」

 20年ぶりとなる箱根路制覇という野望のためには、エース区間で鈴木が今年以上の走りをしなければならない。神奈川大の選手寮から2区コースの最も近い地点は約1キロ。“地元”で歴史をつくろうとしている。

 「来年は日本人最高記録(1時間6分46秒)を狙っていきたい」

 冷静沈着なエースは「箱根からの道」もしっかり見据えている。

 「来年の東京で初マラソンに挑戦します。目標タイムはまだ全く想定できないが、この1年間、しっかり準備をしていきます」

 着実な成長を続ける21歳にかかる期待は大きい。20年東京五輪に向けた男子マラソンの強化策として日本陸連が3月に計画しているニュージーランド合宿に「3代目・山の神」神野大地(23)=コニカミノルタ=らとともに若手有望株として参加を打診されている。

 「競技人生、究極の目標は五輪のマラソンでメダルを獲得することです。年齢的には(29歳で迎える)24年五輪の方が合っているかもしれないが、せっかく、東京で行われる20年の五輪でも日本代表に選ばれるように勝負したい。五輪を目指す全員にチャンスがあると思っています」

 ◆鈴木 健吾(すずき・けんご)1995年6月11日、愛媛・宇和島市生まれ。21歳。宇和島南高3年時に全国高校駅伝に出場した父・和幸さん(46)の影響で、愛媛・番城小時代に陸上を始める。宇和島東高3年時に全国高校総体5000メートル10位。2014年、神奈川大経済学部入学。箱根駅伝は1年6区19位、2年2区14位。3年2区1位。昨年の予選会は日本人トップで個人3位。1万メートルの自己ベストは28分30秒16。好きな食べ物は愛媛名物のみかん。「止まらなくなるほど食べる」。163センチ、46キロ。

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