瀬古リーダー「大喝だよ」びわ湖毎日マラソン日本勢低迷に危機感募らせる

2017年3月6日6時0分  スポーツ報知

 ◆ロンドン世界陸上談志代表選考会兼びわ湖毎日マラソン(5日、滋賀・大津市皇子山陸上競技場発着=42・195キロ)

 ロンドン世陸最終選考レースは、16年リオ五輪代表の佐々木悟(31)=旭化成=が2時間10分10秒で4位となったのが日本勢最高だった。一色恭志(22)=青学大=や村沢明伸(25)=日清食品グループ=ら期待の若手も低迷し、2時間7~8分台の選手は現れず。日本陸連の瀬古利彦・長距離マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)は20年東京五輪へ「急には強くなれない。練習が足りない」と危機感を募らせた。世陸代表は今月中旬の理事会を経て正式に決まる。(晴れ、気温11・5度、湿度52%、東南東の風1・4メートル)

 日本勢トップの佐々木は、ピクリとも表情を変えずにテープを切った。2時間10分10秒。選考4大会の日本人トップのうち最も遅いタイムで、世陸代表入りは絶望的。「全く話にならない。何の達成感もないし、何の意味もない」。瀬古リーダーも低調だった日本勢について「ショックが大きい。張本さんのサンデーモーニングだったら“大喝”だよね」と厳しい表情を浮かべた。

 例年に比べ、条件は悪くなかった。風はスタート時の1・4メートルが最高。昨年スタート時は19・8度だった気温も、11・5度と低かった。コースも比較的平たんなだけに、瀬古リーダーは「2時間8分台が2人くらい出ると思っていた」と首をかしげた。ベテラン勢の凡走以上に痛いのが、20年東京五輪世代の惨敗だ。中盤まで日本人トップの村沢は「33キロあたりから足が動かなくなった」と終盤の大ブレーキで28位。一色は「体が冷えて動かなくなった」と30キロ過ぎで途中棄権。2人とも病院へ搬送された。瀬古リーダーは「30キロからがマラソン。本人が一番分かっていると思うが、ちゃんと練習していればこうはならない。練習が足りない」と切り捨てた。

 現場の危機感も当然強い。昨年まで日本陸連男子マラソン部長を務めた旭化成の宗猛総監督(64)は「徹底してマラソン練習をやるしかない。自分の頃は駅伝や1万メートルの前でも40キロ走をしていた。5000メートルも1万メートルも駅伝も、全てマラソンのための調整だという覚悟を持たないと」。駅伝やトラック向けに距離を抑えたスピード練習に特化し、30キロ以降の走力が不足する現状に警鐘を鳴らし「ハーフマラソンの2倍や、1万メートルの4倍がマラソンではない」と力説した。

 昨夏のリオ五輪は佐々木の16位が最高。アフリカ勢が2時間2~3分で走る現状では、ロンドン世陸も厳しい。それでも東京五輪で92年バルセロナ以来のメダルを目指すからこそ、目標高く、厳しく鍛えるしかない。今後は若手を集めたニュージーランド合宿(今月下旬)など、打てる手を尽くす。「急には強くならない。3年がかりで地道に教えていかないと」と瀬古リーダー。残された時間は決して長くない。(細野 友司)

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