22歳・安藤、初マラソンで日本人最高!いきなり日本歴代4位

2017年3月13日5時50分  スポーツ報知

 ◆ロンドン世界陸上女子代表選考兼 名古屋ウィメンズマラソン(12日、ナゴヤドーム発着=42・195キロ)

 低迷続きの女子マラソン界にシンデレラガールが誕生した。一般参加の安藤友香(22)=スズキ浜松AC=が日本歴代4位、初マラソンでは日本最高の2時間21分36秒で日本人トップの2位に入り、17年ロンドン世界陸上代表に内定した。優勝した16年リオ五輪銀メダリストのE・キルワ(バーレーン)とも19秒差と互角に渡り合い、世陸と20年東京五輪でのメダル獲得へ大きな弾みをつけた。(晴れ、気温10度、湿度54%、北北東の風0・3メートル=スタート時)

 伏兵が大仕事をやってのけた。一般参加のゼッケン「108」をつけた安藤が、顔をくしゃくしゃにして絶叫しながらゴールした。15キロ付近からリオ五輪銀メダルのキルワと一騎打ち。35キロから徐々に離されたが、わずか19秒差と食い下がった。最後まで優勝争いを演じる堂々のレースだった。「不安はあったけど楽しめた。後のことは考えず、自分を奮い立たせて走った」。日本歴代4位、初マラソン日本最高。2時間半足らずで、22歳の人生が一変した。

 左手甲に「絶対に諦めるな」の文字があった。里内正幸コーチ(40)に黒マジックで書いてもらった通り、最後まで優勝を目指した。両腕をだらんと垂らし、上半身をほとんど動かさない独特の“忍者走り”が持ち味。里内コーチは「効率よく無駄のないフォームを意識している。100点の走り」とねぎらった。キルワも「初戦でこれだけのタイムが出せて素晴らしい。今後が楽しみ」と絶賛した。

 同じ岐阜出身で、00年シドニー五輪金メダルの高橋尚子さん(44)に憧れて陸上を志した。苦しんだ時期もある。豊川高卒業後はチームミズノ、時之栖で芽が出ず、現所属は3チーム目。移籍で打開しようともがく安藤に、里内コーチは「自分にも問題があるから移籍する。わがままが絶対あっただろう」と諭した。変えるべきは環境ではなく自分だと気付かされた。走れない言い訳探しはやめた。

 同僚の牧川恵莉(23)は「練習中もいろんな選手に声をかけている。余裕がある証拠」と成長ぶりを明かす。「兄2人の中で育って、とても負けず嫌い」と母・民弓(たゆみ)さん(51)。同じく同僚の清田が初マラソンだった昨年大会で4位に入ったことも刺激になった。

 15年、スズキの歓迎会で「東京五輪で金メダルを取る」と言った。当時は誰もが驚いた大目標が、おぼろげながら見えてきた。「(日本で歴代)4番だけど、おごるのではなく精進して気を引き締めるきっかけになった。タイムをもっと上げないと世界とは戦えない」。シンデレラガールが、東京五輪金メダルのスタートラインに立った。(細野 友司)

 ◆安藤 友香(あんどう・ゆか)

 ▼生まれ 1994年3月16日、岐阜・海津市
 ▼競技歴 日新中(海津市)1年から始め、中学時代は1500メートルなどが中心。高校駅伝の強豪として知られる豊川高(愛知)へ進み09、11年に全国高校駅伝優勝。16年世界ハーフ(英カーディフ)で1時間10分34秒で日本人トップの10位
 ▼丈夫 自宅から大江小まで片道30分を毎日歩いて通学。「体は丈夫な方。往復で鍛えられたのかも」(母・民弓さん)
 ▼家族 父・良貴さん(56)と母。3人兄妹の末娘で、兄が2人
 ▼サイズ 161センチ、43キロ

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