「世代最強」遠藤日向、箱根への憧れ胸にしまい社会人で東京「金」目指す

2017年4月11日8時0分  スポーツ報知
  • 高校総体の男子1500メートル決勝で初優勝した遠藤は東京五輪期待の逸材だ

 陸上男子長距離の遠藤日向(18)=福島・学法石川高出=が今春、住友電工に入社した。国体は1年時に3000メートル、2、3年時に5000メートルで優勝。次代のスター候補生は箱根駅伝への憧れを胸にしまい、東京五輪で「メダルを目指すために」社会人でスピードを磨く道を選んだ。所属先の渡辺康幸監督(43)も「息の長い選手にしたい」と長期計画で育て上げる。

 新調したスーツに袖を通し、入社式に臨んだ遠藤は「(式が終わって)ホッとしました」と初々しい笑顔を見せた。驚異的なラストスパートを武器に、国体では高校1年から3年連続で優勝。「一番自信がある」という3000メートルは、高校生で初めて7分台で走り抜けた。

 将来を期待される世代最強ランナーは、迷わず社会人を選んだ。「東京五輪は3年後。絶対に出たいし、出るからにはメダルも狙いたい。駅伝も好きだけど、両立は難しい。どちらを取るか?と考えれば、五輪だった」

 高校入学後の早い段階から進路を社会人一本に絞り、5000メートル日本記録保持者の大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)らを育てた渡辺監督率いる住友電工の門をたたいた。10年度に早大で大学駅伝3冠を達成した渡辺監督も「いろいろな考え方があっていい。1年間、スピードに特化した練習をさせられる」と歓迎した。

 夢を実現するために、東京五輪への「4か年計画」を作り上げた。18年までの2年間は基礎となる体作り。でん部から骨盤回り、インナーマッスルなど、長距離のスピードやレースで当たり負けしない強さを身につけさせ、1500メートルなど距離の短いレースでスピードを磨く。19年に1500メートル、5000メートルで東京五輪の参加標準記録(19年発表見込み)を突破。20年にメダルをかけた勝負に挑む―という青写真を描いている。

 渡辺監督は高校時代の走りを見て「スケールの大きな走りで、下半身の足さばきは国内トップレベル」と評価。「ラスト勝負ができるスピードとフィジカルを強化して息の長い選手にしたい」と30歳になる11年後の28年五輪で、マラソンのメダル獲得も視野に入れている。

 昨年末に故障した左アキレス腱(けん)の痛みが癒え、ようやく遠藤はスタートラインに立った。それでも焦りはない。「トラックのレースはスタジアムに歓声がすごく響いて気持ちが盛り上がる。今はまだ遅れているかもしれないけど、最後に勝っていればいい」。3年後。降り注ぐ歓声を信じて、スピードと強さに磨きをかける。(遠藤 洋之)

 ◆遠藤 日向(えんどう・ひゅうが)1998年8月5日、福島・郡山市生まれ。18歳。芳賀小4年で陸上を始め、郡山第四中3年で全国中学大会3000メートル優勝。学法石川高では国体で14年少年B3000メートル、15、16年少年A5000メートル優勝。16年高校総体1500メートル優勝。自己記録は1500メートル3分45秒58(高校日本人歴代4位)、3000メートル7分59秒18(同1位)、5000メートル13分48秒13(同7位)。170センチ、56キロ。家族は母、姉と実業団NDソフトの兄・清也(21)。

 ◆遠藤の予定 状態を見た上で、兵庫リレーカーニバル(23日・神戸)かゴールデンゲームズ(5月6日・延岡)の1500メートルで社会人デビュー。関西実業団陸上(5月19~21日・長居)を経て、6月の日本選手権(23~25日、長居)では1500メートルにエントリーする予定だ。

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