世界陸上は“仮想東京五輪”マラソン代表の井上大仁が明かす取り組み

2017年5月15日10時0分  スポーツ報知
  • 練習コースの長崎港に停泊する巡視船「でじま」の前でポーズをとるMHPS・井上

 山梨学院大陸上部OBで、8月の世界陸上選手権(ロンドン)男子マラソン代表に選ばれた井上大仁(24)=MHPS(長崎)=が、世界の大舞台を“仮想東京五輪”と位置づけて表彰台を狙う。学生時代に箱根駅伝を4度走り、2015年には主将としてシード奪還にも貢献した、日本陸上界のホープにとって、今回が自身3度目のフルマラソン。3年後の夏に開催される東京五輪を見据えて、暑さ対策にも積極的に取り組んでいる。井上に現在の思いを聞いた。(聞き手・大津 紀子)

 マラソン界では無名だった24歳が、大きなチャンスをつかんだ。今年2月の東京マラソンで、日本人トップの8位となる2時間8分22秒でゴール。川内優輝(30)=埼玉県庁=、中本健太郎(34)=安川電機=とともに、初の世界選手権代表に選ばれた。

 「先頭集団の、想定以上の速さについていけなかったという課題はありますが、中盤以降は自分のリズムで走り、最後まで粘ることで結果につながったことをうれしく思うし、自信になりました」

 山梨学院大OBでMHPSマラソン部の黒木純監督(45)は、井上が38キロ過ぎで設楽悠太(25)=ホンダ=を追い抜いた内容をふまえて「持ち味の負けん気が、終盤にいい形で出たレース」と分析する。一気に視線が集まったまな弟子に「(2時間)6、7分台はいけると思っていた」と、実力は本物だと評する。長崎・鎮西学院高時代には全国大会に縁がなかった井上だが、山梨学院大に進んで上田誠仁監督(58)の指導を受けるようになってから頭角を現し、3年時に世界ハーフマラソン代表に選ばれるなど確実に力を積み上げた。

 「山梨に行くことを決めた時から、マラソンで世界を舞台に戦う選手になることが目標でした。自分は負けず嫌い。大学では、その思いが強すぎてレースで失敗することもありましたが、上田監督のもとで勝ちにこだわる強い気持ちと、冷静な判断力の両方を持つ走りを学ぶことができました」

 井上は生まれ故郷の長崎を拠点に、上田監督の教えを受けた黒木監督との二人三脚で、夏の世界陸上、そしてその先に見据える東京五輪に向けて練習を重ねている。

 「3年後は27歳。ランナーとして最高の巡り合わせだと思います。開催が決まった時から『東京五輪でメダル』と思ってきました。世界陸上は東京五輪と同じ夏開催。今は高温多湿の気候でも走り抜ける強い体、力を生かすペース配分など、やることがいろいろあります。アフリカ勢ら海外の強豪との競り合いなど戦略も大事になります。黒木監督といい準備をして、全てが東京につながる走りにしたい。いい準備をして、日本人トップでの表彰台を狙います」。

 好きな言葉は「世界を超える」。井上が山梨で開花させた実力を、世界にアピールする。

 ◆井上 大仁(いのうえ・ひろと)1993年1月6日、長崎・諫早市生まれ。24歳。鎮西学院高(長崎)から山梨学院大に進み、箱根駅伝には4年連続で出場。4年時には主将として3区3位の好成績でシード権獲得(9位)に貢献した。2015年4月、MHPS入社。16年3月のびわ湖マラソンでフル初挑戦(2時間12分56秒で9位)。2度目の東京マラソンで自己新の2時間8分22秒を出し、日本人最高の8位で世界陸上代表に選ばれた。ハーフマラソンのベストは1時間1分39秒。1万メートルは28分12秒96。165センチ、51キロ。

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