【世界柔道】渡名喜風南「小さくても強いんだぞ」伝統の女子48キロ級に“新星”誕生

2017年8月30日6時0分  スポーツ報知

 ◆世界柔道 第1日 ▽女子48キロ級決勝 ○渡名喜(優勢)ムンフバット●(28日、ハンガリー・ブダペスト)

 開幕し、女子48キロ級の渡名喜風南(ふうな、22)=帝京大=が初出場で頂点に立った。男子60キロ級は高藤直寿(24)=パーク24=が2013年大会以来、2度目の優勝。最軽量級を男女がそろって制したのは、1997年パリ大会の野村忠宏、田村亮子(現姓・谷)以来、20年ぶりの快挙となった。

 「伝統の女子48キロ級」に新星が現れた。渡名喜は決勝の畳を下りると、「今まで優勝しても泣くほどではなかったが、涙が出た。すごくうれしい」と喜びに浸った。決勝の相手のムンフバットには15、16年のグランドスラム東京で2年続けて足技がポイントにならず、指導の差で敗戦。「すごく悔しくて。何が何でも足技で取るぞという気持ちでいった」。得意技にこだわり、小外刈りで初優勝を決める技ありを奪い取った。

 格闘技好きの父の影響で幼少の頃からテレビで総合格闘技を観戦。木登りが得意で「野性的だった」少女は9歳で柔道を始めたが、中学まで県大会でも負け続き。修徳高で現役時代に谷亮子のライバルだった北田佳世監督に出会ったことが転機となり「先生が同じ48キロ級で練習相手も比較的小さかったので力をつけられた」。高校でも日本一に縁はなかったが、地道に培った力が22歳で花開いた。

 身長148センチは同階級でも小柄だが「小さくても強いんだぞ、と見せられた」と胸を張った。大会2週間前には胃腸炎で体重が1・5キロ減るアクシデントに見舞われたが「そんなに減量ないんで大丈夫」と前向きにとらえ、初の大舞台でも「逆にリラックスしすぎて力が入らないなと思っていた。いつもの試合より周りが見えていた」と言ってのける心の強さがあった。

 女子48キロ級は五輪の正式種目となった92年以降、過去14度の世界選手権で11個の金メダルを獲得してきた看板階級だ。7度優勝の谷が引っ張り、その後は福見友子、浅見八瑠奈、近藤らが激しいライバル関係を築き、日本の強さにつながった。渡名喜は近藤と同学年。小学校時代から背中を追いかけ、昨年のリオ五輪も「勝ってほしい気持ちが一番ですけど、同い年として悔しい気持ちもありました」と複雑な心境で見届けた。だが、今回で48キロ級は「近藤・渡名喜」の新時代に突入。新女王は「勝っておごらず、常に挑戦者の気持ちで。東京五輪で優勝したい」と3年後を見据えた。

 ◆渡名喜 風南(となき・ふうな)1995年8月1日、神奈川・相模原市生まれ。22歳。9歳で「相武館吉田道場」で柔道を始め、相原中、修徳高を経て帝京大医療技術学部。16年に講道館杯2連覇。17年にグランプリ・デュッセルドルフ大会を制し、全日本選抜体重別選手権は2位。世界ランク13位。148センチ。両親が沖縄出身で、名前の由来は「お母さんが“風ちゃん”て呼びたかったから」。

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