スターター福岡渉さん、桐生9秒98舞台裏明かす 追い風参考回避へ風やむ瞬間狙い号砲

2017年9月11日7時0分  スポーツ報知
  • 先頭でゴールに向かう桐生(C)東洋大学スポーツ新聞編集部・大谷達也撮影

 桐生が日本初9秒台を出した男子100メートル決勝は、追い風1・8メートルだった。今大会男子100メートル予選~決勝までの計12レースのうち、唯一の公認記録(追い風2・0メートル以内)となった。スターターを務めた福岡渉さん(46)=福井・道守高職員=が10日、記録達成の舞台裏を明かした。

 「(日本で)一番最初に9秒台を出すスターターになれて良かった。地元でどうしても9秒台を…というプレッシャーがあった」という福岡さん。細やかな観察眼が公認9秒台を生んだともいえる。常に2~3メートル前後の追い風(北風)が吹き続ける条件。決勝レースの直前、設置されている吹き流しを眺めていると、一定のリズムで止まることに気づいた。「風が吹いて、止まって、また強く吹いた後、しばらく止む時間がある」。そこで、2度目に強く吹いた時「On your marks」をコール。風が止んだ瞬間に「set」、そして号砲。福井陸協の木原専務理事も「(公認になるのは)あの瞬間だけだった」とうなる判断だった。

 中学時代まで100メートルの選手で「(スタートしやすい)タイミングも分かる」という。スターター歴は10年。「On your marks」のうち「On」の部分にアクセントを置き、声で選手の背中を押す気配りも心がけている。日本陸連の伊東浩司・強化委員長(47)も「おめでとう、ベストスターターだった」と感謝。木原さんは「やっと重圧から解放された」と胸をなで下ろしていた。(細野 友司)

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