“第二の中津江村”へ「ホストタウン制度」を今後も積極的に 鈴木五輪相に単独インタビュー

2017年9月12日11時0分  スポーツ報知
  • 本紙インタビューに応える鈴木俊一五輪相
  • 03年日本とカメルーンの親善試合でカメルーンの応援をする中津江村村民サポーター

 “第二の中津江村”で地方創生を―。鈴木俊一五輪相(64)がスポーツ報知の単独インタビューに応じ、2020年東京五輪・パラリンピックに参加する国・地域と自治体との交流を図る「ホストタウン制度」を今後も積極的に活用していく考えを示した。2002年のサッカーワールドカップ(W杯)日韓大会では、大分県中津江村(現・日田市)とカメルーンとの交流が注目された。岩手県出身の鈴木大臣は「(東日本大震災の)被災地を含め、ホストタウンを増やしていければ」と述べた。(久保 阿礼)

 8月の内閣改造で五輪相に就任した鈴木氏は、オリパラなどの注目度の高さを改めて実感している。

 スキーやゴルフは趣味程度というが、1964年の東京大会の開会式では現地に足を運んだ。当時は小学4年生だったが「記憶は鮮明に残っている」という。

 「日本の選手団は赤いジャケットを着て、開催都市なので最後に入場して(当時の)国際オリンピック委員会(IOC)会長はブランデージさんでした。大変感動しました」

 陸上、柔道、バドミントン、卓球などは国際大会で結果を残しており、大臣にも報告される。20年の活躍も期待している。

 「(国際大会で)素晴らしい成果を上げていますね。先日、(味の素)ナショナルトレーニングセンターを視察しました。体調や栄養管理までパラリンピック選手も含めて一緒にやっています。(今後も)競技力は向上し、トップ選手の活躍で裾野の部分も広げていくことができます」

 五輪相は大会に向けた輸送や運営費など開催都市の東京やほかの地方自治体との調整を行うなど、「司令塔」の役割を担う。大会を通じ、競技力だけではなく、スポーツを通じた地域活性化や他国と交流を深めるきっかけとしたい考えだ。

 「五輪はスポーツの祭典というだけではなく、文化の祭典です。多くの国々から選手や関係者が日本においでになります。日本の文化に接することは大変意義があります」

 政府は大会に参加する国・地域と自治体との交流を図るホストタウン制度を導入した。98年の長野五輪で地元の小中学校がそれぞれの参加国・地域を応援した「一校一国運動」をモデルとし、16年1月から募集を開始。現在、北海道から沖縄県まで252の地方自治体が74の国や地域と協力することが決まっている。東日本大震災の被災地の仙台市はイタリア、福島市はスイスと交流を続けている。

 「(被災地の)福島、宮城はホストタウンの数が多くて岩手県では盛岡市があります。大災害から6年半。国際社会からさまざまなご支援をいただきました。被災地のホストタウンが一つでも増えればと思っています」

 02年のサッカー日韓W杯では、カメルーンが合宿地とした大分県の中津江村(現・日田市)が注目された。W杯効果で中津江村には前年から27・6%増の約26万人が訪問するなど話題となり、「経済波及効果」は1億数千万円と言われた。

 復興五輪、地方創生―。大会を通じて未来に何を残すのか。

 「64年は高度経済成長期に入り、東海道新幹線、首都高速が整備されてハード面が注目され、ソフト面ではゴミのない社会が広まりました。20年にはパラリンピックもありますし、皆で支え合う『共生社会』というものを残していければと思います」

 ◆ホストタウン制度 事前キャンプや選手らとの交流イベントで相互理解を深める取り組み。関係省庁は、各自治体に財政措置や人材派遣、情報提供などを行い、支援する。

 ◆中津江村 大分県の西部に位置する。2005年3月に日田市に編入合併したが、地名は使用。観光名所は津江山の一角にある「地底博物館 鯛生(たいお)金山」。日韓W杯ではカメルーン代表のボーナス増額や飛行機トラブルで到着が4日遅れる“騒動”で話題に。Jリーグでも活躍したエムボマらが大会後にサッカー教室を開催し、当時の村長で「日本人のカメルーン人」坂本休(やすむ)さん(86)=写真=はブラジルW杯で同国の応援に行くなど、15年間も交流は続いている。20年五輪のホストタウン登録も検討中。人口815人。

 ◆鈴木 俊一(すずき・しゅんいち)1953年4月13日、東京都生まれ。64歳。早大卒。90年衆院選で元首相で父の善幸氏の地盤を受け継ぎ、初当選。96年、橋本内閣で厚生政務次官。02年、小泉内閣で環境相、安倍内閣では外務副大臣などを歴任し、8月から五輪相。当選8回。麻生派。

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