ライフセーバー界のレジェンド39歳・植木将人が20回目の全日本出場

2017年10月6日15時27分  スポーツ報知
  • 右から植木将人、山本ゆうじ、北矢宗志

 「第43回全日本ライフセービング選手権大会」が7、8日に神奈川・藤沢市の片瀬西浜海岸で行われる。進行DJを務める東京マラソンDJの山本ゆうじが注目のレジェンド選手を紹介する。

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 全国から予選を勝ち抜いた1200人以上のライフセーバーが各種目日本一の座を競う。僕も20年以上会場MC、進行DJとして関わらせていただいている大会ですが、ビーチフラッグで9回目の優勝を狙う39歳の植木将人(まさと)選手をリポートします。

 湘南江の島の西浜ビーチのライフセーバーである植木は、これまでビーチフラッグ全日本で8度の優勝、世界選手権で2度の銀メダルに輝くスターだ。

 「今年で39歳。20回目の全日本出場です。これまで全日本男子最多優勝の鯨井保年、モーガンの7回を目標にしてきました。目標を達成し、僕も欲張りですから前人未到の10回優勝を目指してます。その目標は生涯ライフセービングを続ける僕にとっても若手にとっても大きな事なんです」

 ベテランとしての体作りについては「年を重ねていけばなおさら、体は衰えていくわけですから十分に準備します。限られた環境の中(仕事は特別支援学校の教師)、自ら考え、学び、実践し、振り返り、そしてまた計画をする。年間を通してのフィットネス、冬場の走り込み、日本の冬にライフセーバーの本場オーストラリアの大会に出場する(今年はマスターズ=35~39歳=優勝)、そうした経験を日本のライフセーバーの置かれている環境に生かしたいんです」

 体のサイズは166センチ、59キロ、体脂肪が6%。

 「はい!とにかく早寝早起き、十分な睡眠と栄養。トレーニング、これに尽きますね」

 中学時代はバレーボール、高校時代はアルペンスキーで活躍、ライフセーバーとは無縁だった。大学時代にライフセーバー協会の小峯力前理事長の「あなたは愛する人がおぼれた時に救えますか?」の言葉に自問自答し、この道を選んだのだ。ライフセーバーとして当然のスイムは大学時代から本格的に始めたが今では全日本プール選手権にも出場するほどの腕前だ。

 ライフセーバーとしての活動は?

 「所属する湘南西浜は7月1日~8月31日までの62日間海をパトロールしています。これまで日本代表としてなかなか時間が作れなかったのですが今年は代表としての立場は退きその分『人のために尽くす』という原点を見直しました。ライフセーバーはもはやライフスタイルですね。海でたくさんの笑顔が見たい、安全であってほしい、そう願うから続けてます。ライフセービングと、障害者、高齢者、子どもたちを含めた社会福祉ができるんじゃないかと思います」

 ビーチフラッグスの醍醐味は?

 「うつ伏せから起き上がってスタート、GOAL(20メートル)まで、4~5秒でホースを掴みます。レース中はターゲットのホースしか見えません。レース後になって初めて他の選手とのフレンドシップ、観客を意識します。その緊迫した雰囲気を皆さんにぜひ味わってほしい」

 今後の目標は?

 「陸上100メートルのガトリン選手は35歳にして世界選手権で活躍し、ライフセーバー全豪チャンピオンのサイモン・ハリスは40歳まで現役を続け11回の優勝を果たしました。必ず何かしらの工夫と努力の末の結果だと思うので私も私なりの方法でまだまだ現役を続けたいですね」

 がむしゃらにスタートすれば1位になれるかもしれないが、それではターゲットを一瞬見失ってしまうから、きっちりと確認してから走り出すことにこだわる植木。ここに”人の命を救う”ライフセービング競技として戦う真の姿がある。

 この競技は1位になることは、「それだけ早く人の命を救える」というのが根底にある独特のスポーツだ。また鍛錬しているその技術は実際には使わない方が望ましいという点も特殊である。しかし僕はこの競技の仕事をするときに改めて命の大切さを意識し、同時にライフセーバーたちの崇高な精神に驚かされる。ビーチ競技、オーシャン競技と全部で12種目のすべてがレスキューにつながる。

 ライフセーバー界で植木将人のレジェンド伝説の1ページがまた始まる。(sportsDJ 山本ゆうじ)

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