柔道金メダリストの内柴正人が柔術家デビュー 腕固めで白星飾る

2017年11月26日13時23分  スポーツ報知
  • 柔術デビュー戦で優勝した内柴

 柔道男子66キロ級でアテネ五輪、北京五輪と2大会連続で金メダルを獲得した内柴正人(39)が26日、神奈川県寒川町の寒川総合体育館で行われた柔術大会「JAPAN OPEN2017」(主催・ASJJFドゥマウ)に出場し柔術家デビューを果たした。3人が出場した青帯のミドル級(82キロ以下。試合時間5分)で出場した内柴は、初戦で高木勇人選手(41)に腕十字固めで快勝し柔術家としてのデビュー戦を飾った。湯川拓摩選手(31)との2戦目も腕十字固めで完勝し優勝した。表彰台で金メダルを賭けられた内柴は、喜びの笑みを浮かべていた。

 国士舘高校から国士舘大学、旭化成に入社した内柴は、2004年アテネ五輪と08年の北京五輪で2大会連続金メダルを獲得。10年4月から九州看護福祉大学女子柔道部のコーチを務め、同年10月に現役を引退し所属していた旭化成を退社した。11年1月に同大学の客員教授に就任したが、同年11月に女子部員へのセクハラ疑惑が報じられ、大学の調査結果から懲戒解雇。さらに同年12月に準強姦容疑で逮捕、起訴された。

 13年2月に東京地裁に懲役5年の実刑判決を言い渡されたが、控訴。全日本柔道連盟は、1審の実刑判決を受け永久追放を決定した。14年4月に最高裁が上告を棄却し判決が確定し、静岡刑務所に収監され、今年9月15日に仮出所していた。

 柔術を始めたきっかけは総合格闘技「REAL FIGHT CHAMPIONSHIP」を主宰する山田重孝氏(50)が獄中の内柴へ手紙を書いたことがきっかけだった。山田氏は「何か彼のことがまだ、燃え尽きてないんじゃないか、やれるんじゃないかって気になって1年前に手紙を書きました」と明かす。そこから月1回の面会で柔術の話をする中で刑期を終えた後に柔術を取り組む情熱が芽生え、出所後に柔術に取り組むことを決意した。

 山田氏は「刑務所の中では、他の受刑者の体に触れることが禁じられているので練習はできませんでしたが、獄中でもブラジル人の受刑者から柔術の話を聞いたり、腕立て伏せなどの筋力トレーニングはしていました」と明かす。仮出所した9月15日の当日から熊本県内の体育館で練習をスタート。山田氏が神奈川県座間市内で運営する柔術道場「ALAVANCA柔術アカデミー」などで特訓を積みこの日のデビュー戦に至った。

 内柴は、これまでに自身のツイッターで「(逮捕されてから)6年間、私は柔道のことばかり考えていた。この先、反省をして、生きていく中で、今回の失敗を、過去のタイトルでぬぐうつもりはない。新しく生み出して、正しく生きるから」と決意をつづり、「柔道では永久追放なので、柔術で勝負します。柔術専門の方々、どうぞ、私を潰してください。歳も39だし、ブランク6年以上。潰す価値もありませんが、お願いします」と柔術で勝負する決意を表明していた。

 柔術は柔道と違い投げでの一本がないなどルールが異なる。ただ、山田氏は「普通の人の7倍速ぐらいでのみ込みが早い。天才です」と五輪2大会連続金メダリストの才能を絶賛。今後は12月にアマチュア大会に出場し来年2月には日本で最高峰の大会「ヒクソン・グレイシー杯」に参戦する予定。さらに順調に進めば世界最高峰の柔術大会などの世界大会への出場も見据えているという。

 今後はプロの格闘技大会への出場も期待されるが「現実的にはそこまでは視野に入れていません。タイミングが合えばどうなるかわかりませんが、あくまでもアマチュアとして世界一を目指していきます」と明かしていた。

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