【箱根駅伝】東洋大が4年ぶり往路優勝!1年生3人起用で王者・青学大破る

スポーツ報知
ゴールテープを切る東洋大・田中龍誠

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走往路は2日、東京・千代田区大手町の読売新聞社前スタート、神奈川・箱根町ゴールの5区間107・5キロで行われ、東洋大が5時間28分29秒で優勝した。2位・青学大とは36秒差。1区でスーパールーキー西山和弥が区間賞を獲得すると、一度も先頭を譲らず、5区の田中龍誠(1年)が堂々と芦ノ湖に一番乗りを果たした。前回、青学大が記録した5時間33分45秒の往路記録を更新し、4年ぶりに往路優勝。同じく4年ぶりとなる総合優勝に王手をかけた。

 往路5区間は1年生が3人、2年生1人、3年生1人。東洋大の若いメンバーが東京~箱根間を疾走した。1区・西山は区間賞、2区・相沢晃(2年)は区間3位、3区・山本修二(3年)は区間賞、4区・吉川洋次(1年)は区間2位。完璧なタスキリレーで小田原中継所に到着すると、1万メートル自己ベストは30分14秒13と高校生レベルの田中が上り区間で堅実な走りを見せ“天下の険”を制した。

 「皆さんが名前を聞いたことがない選手もいるでしょうが、その中からヒーローが生まれると思います」

 昨年12月11日、東京・文京区の白山キャンパスで行われた壮行会で酒井俊幸監督(41)が宣言した通りのレース展開となった。山本を除いては箱根駅伝初出場のフレッシュなメンバーが快挙を成し遂げた。

 登録メンバー16人中、6人が1年生。前回9区区間賞で今大会の公式ポスターにも写真が掲載されている野村峻哉(4年)が調子が上がらなかったため、メンバーから外れた。前回6区13位の堀龍彦(4年)もメンバー外。4年生は小早川健だけ。「前回のエントリーメンバーが外れたことは監督として反省しています」と酒井監督は率直に話した。しかし、同時に自信もあった。実績では劣るが、1、2年生の未知数の潜在能力を信じた指揮官の勝利でもあった。

 酒井監督は「見事に期待に応えてくれて、レベルの高い走りをしてくれた」と往路選手の頑張りを称えた。5区では2分以上あった差が、36秒差まで詰められたが、最後は逃げ切った。「各区間1秒を削り出す走りをした結果、5区が接戦だったのですが削ってくれたおかげ」とチームの勝利を強調した。

 東洋大は初優勝を飾った2009年以来の9大会で優勝4回、2位4回、3位1回とすべて3位以内と安定した成績を誇る。「10年連続はひとつの節目。最低でも3位以内。その上で、王座奪還を目指します」と酒井監督は強い意気込みを明かす。

 復路で青学大は6区のスペシャリスト小野田勇次(3年)や、補欠登録で8区投入が確実なエース下田裕太(4年)らを残しており、予断を許さない状況が続く。4年ぶり総合優勝へ、3日は先頭でスタートを切る。酒井監督は「35秒(注・実際は36秒)でも先頭でスタートの優位性がある。思い切っていきたい」。

 補欠登録で10区出場な濃厚な小笹椋主将(3年)は「東洋大らしい走りをします」ときっぱり話す。箱根~東京間でもチームスローガン「その1秒をけずりだせ」を体現する走りを貫けば、4年ぶりの総合Vは見えてくる。

スポーツ

×