ベイカー茉秋が復帰 昨年右肩負傷「80%戻った」「手術してドン底見た」

スポーツ報知
強化合宿に復帰したベイカー茉秋

 リオ五輪柔道男子90キロ級金メダルのベイカー茉秋(23)=日本中央競馬会=が9日、連覇が懸かる20年東京五輪に向け、新たなスタートを切った。昨年4月の全日本選抜体重別選手権で右肩を負傷し、外傷性肩関節脱臼と診断された。8日から都内で行われている重量級の強化合宿に手術以降、初めて参加し「まだ怖さはあるけど、70から80%まで戻ってきている」と語った。

 右肩は何度も亜脱臼を繰り返してきた箇所で、手術後3か月間は走ることさえできない状況だった。21歳で夢をかなえたリオ五輪翌年の悲劇だが、「口では東京五輪で連覇しますって言ってたけど、その覚悟もなかなかなくて。手術してドン底を見て、本当に柔道が好きなんだなという気持ちにもなりました」と受け止められるようになった。全日本男子の井上康生監督(39)も「充電してきたな、という表情。ここ1年の苦悩や挫折が、彼を一回り成長させてくれてるんじゃないか」と期待した。

 2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会で実戦復帰を予定。ベイカーは「また一からのスタート。初心に帰れて、毎日挑戦者のつもりで畳に上がっている。手術して良かったと思える結果が出せたら」と、負傷を糧に変える決意を示した。(林 直史)

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