池江璃花子の日本新4連発に隣レーンから「バケモンかよ!」

スポーツ報知
2018年初戦を日本記録4連発で終えた池江(カメラ・高木恵)

◆東京都新春水泳競技大会(14日・東京辰巳国際水泳場)

 競泳のリオ五輪代表・池江璃花子(17)=ルネサンス亀戸=が日本新4連発の快挙だ。14日に行われた短水路(25メートルプール)の東京都新春水泳競技大会(辰巳)に出場し、200メートル個人メドレーで2分5秒41、100メートル自由形では51秒62を叩き出し、ともに短水路日本記録を打ち立てた。13日には200メートル自由形と50メートルバタフライで日本新を出したばかりで、2日で4種目に出場し、全てレコード更新。“スーパーJK”がさらに進化した姿を見せた。

 「バケモンかよ!」のツッコミが入った。池江が100メートル自由形のゴールにタッチすると、会場中の視線が電光掲示板に集まった。51秒62。内田美希が14年に出した51秒83を0秒21、上回った。ツッコミは代表のチームメートで、17年世界選手権女子200メートル個人メドレー銀メダリスト・大橋悠依(東洋大)。隣のレーンで泳いだ先輩に2秒69もの大差をつけ、日本新4連発が達成された。

 泳げば記録がついてくる。本来専門外の200メートル個人メドレーでも2分5秒41。16年に清水咲子(ミキハウス)がマークした2分5秒97を0秒56更新した。「自分も記録を出したいと思っていたし、周りにも期待してもらっていたのでうれしい。いいレースができた」と、スマイルがはじけた。

 底力を示した。最後のレースとなった100メートル自由形。50メートルのターンで掲示板が目に入った。タイムは想定外の25秒49。「元々の日本記録のラップが24秒台半ば。やばいなと。逆に燃えた」。最後の25メートルの息継ぎは2回だけ。猛スパートで遅れをリカバリーした。

 その4時間ほど前。200メートル個人メドレーを泳ぎ切った後、疲労感から立ちくらみに襲われた。「フラフラする。やばい」。空き時間を利用し、昼寝などで回復を図った。重さが残る体で、記録を打ち立てた。年末年始はスペイン、グアムと高地合宿。本来あまり好まないウェートトレにも積極的に取り組み「スタートが速くなった」。同時に、苦しさに耐え抜くタフネスも手に入れた。

 今月下旬にはオーストラリアに渡り、約3週間の海外武者修行。「世界のトップ選手がいっぱいいる中で不安が大きいが、練習の取り組み方などを学びたい」。モンスターJKの潜在能力は計り知れない。(太田 倫)

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