全国高校柔道選手権静岡県大会 男子団体で加藤学園が初優勝

スポーツ報知
決勝で大外刈りを仕掛ける加藤学園・深井

◆全国高校柔道選手権静岡県大会▽男子団体戦決勝 加藤学園 1人残し 浜松商(21日・静岡県武道館)

 加藤学園が決勝で浜松商に競り勝ち、初優勝を飾った。個人戦無差別級県王者のエース・熊谷健太(2年)が背中に痛みを抱え、同じく重量級の1年生・深井大雅は9日に父を亡くしたばかりだったが、全員が心をひとつにして日本武道館の切符をつかんだ。

 最後は副将・熊谷が浜商の大将と引き分け、創部15年目の初優勝だ。熊谷は背筋痛で12月からほとんど練習できず、復帰したのは個人戦(今月13日)の1週間前。この日も痛み止めの注射を打ち、ガッチリと背中にテーピングを巻いて決勝に臨んでおり、「みんなが頑張ってくれた」と仲間に感謝した。

 深井のお父さんのためにも勝つ。それがチーム全員の思いだった。深井の父・茂和さんは愛知県警に所属し、全日本選手権に7度出場している偉大な柔道家。名古屋から沼津まで何度も足を運び、部員たちにアドバイスしてくれていた。それが今月9日、急な病で亡くなった。まだ46歳だった。父にあこがれ、5歳で柔道を始めた深井は「突然のことで気持ちの整理がつかなかった」

 それでも次鋒として臨んだ決勝では180センチ、115キロの体格を生かし、大外刈りからの抑え込みで1人抜き。先鋒で75キロキロの渡辺哲平と、中堅で0キロの渡辺優聖(ともに2年)も粘り強く1人づつ抜いて優勝を呼び込んだ。深井は「自分はあまり貢献できなかったけど、チームメートが支えてくれました。一致団結して戦えた。感謝しています」と話した。

 昨夏の高校総体に続く、全国舞台での団体戦。「夏は2回戦で負けたので、まずは3回戦進出を」と岡本謙治監督(40)。父が何度も戦った武道館の舞台に立つ深井も「ベスト8まで行きたい」と活躍を誓っていた。

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