F1「グリッドガール」廃止決定に現場からは批判や疑問の声も

スポーツ報知

 モータースポーツ最高峰のF1で、今シーズン初戦となる3月25日の豪メルボルンGPから「グリッドガール」と呼ばれるレースクイーンが全面廃止されることが公式ホームページで1日、発表された。

 グリッドガールは、レースが始まる前にスタート地点に並べられたレーシングカーの周囲で選手のネームカードなどを掲げたり、旗や傘などを持つ女性のこと。開催国の民族衣装やセクシーな衣装を身に着けることもあり、「コース上の華」として観客の注目を集めていたが、近年では「女性差別になるのでは」との意見も出ていた。

 F1の広報担当であるショーン・ブラッチェス氏は「我々のビジョンに合うようにするためにレース開始前の場をどのように変更する必要があるか、昨年から観察してきた」と説明。ゲストやパフォーマーが参加し、スポンサーらが自社の製品などを紹介するレース前のレセプションにレースクイーンは必要ないという判断に至った模様だ。

 理由についてブラッチェス氏は「女性差別」と明言はしていないものの「数十年前から、F1にはグリッドガールがいることが習慣づけられてきたが、最近の社会規範に矛盾しており、F1のブランド価値にも合わない」と言及。“批判の種”を摘み取る意図があるとみられる。

 ただ、現場からは批判の声も。昨年12月、最初に廃止の声が上がった際、ルノーのドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグ(30)は現地メディアの取材に「もし彼ら(運営側)がグリッドから目に入る宝石(レースクイーン)を奪ったら、残念なことだよ」。また、過去にF1で3度のワールドチャンピオンとなったニキ・ラウダ(68)も「女性解放は全くもって正しい。でもなぜ、彼女たちがグリッドに立つことを許さないということになるんだい?」と疑問を呈している。

 同じモータースポーツで「ル・マン24時間レース」などで知られる世界耐久選手権は、既に2015年にレースクイーンを廃止。一方、日本最高カテゴリーの「スーパーフォーミュラ」では、現在のところ廃止の意向はないという。

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