【七色コラム】高藤直寿「お家芸」の重圧「メダルを取って帰るかどうかで今後の人生が違うぞ」

2018年2月12日10時0分  スポーツ報知
  • 高藤直寿

 メダリストとして初めて見る五輪は、とても楽しいですね。16年リオ五輪に出場させていただきました。夏と冬は違いますけど皆、この大会に人生をかけるんだろうなぁ、重圧きついんだろうなぁと、自分の体験と重ねながら見られるのは出た人にしか味わえない五輪の楽しみ方なのかなと。いいも悪いも1日で決まってしまいますから。

 今大会はフィギュアスケートに注目しています。ここ数年、テレビでよく見てきました。14年ソチ五輪では浅田真央ちゃんと羽生結弦君の完璧な演技が印象に残っています。競技は全然違うんですが本当に感動した。今回は羽生君を応援したい。大会前、右足首をけがしましたけど、周囲は優勝を前提で見ていますよね。ある意味で「お家芸」と呼ばれる柔道にも通じる重圧かと思います。その中でどうやって自分を盛り上げて臨むのか。圧倒的な強さを見せて欲しいですね。

 人生を大きく変えてくれるのが五輪メダル。当然、各大会の日本選手団第1号メダルの期待と重圧は大きなものがあります。自分が生涯で一番輝ける舞台ですから、できれば第1号になりたいという欲も沸きます。

 僕の場合、リオ五輪開会式翌日で柔道女子48キロ級と同じくメダル第1号を期待されました。開会式は計量があってテレビで見ました。「やばい、始まっちゃう」と緊張したものです。注目されていると思えば思うほど、自分を追い込んでいく感じ。日本メディアの盛り上がりがすごくて、それを見た友人たちがSNSなどで動画やメッセージを送ってきました。「お前が金メダルを取れば、日本のメダルラッシュにつながるから勢いをつかんでこい」とか。世界選手権や他の国際大会では絶対にないこと。とてもありがたいんですが、集中するのは難しかったですね。

 リオでは準々決勝で一本負けして敗者復活戦に回りました。周りの方々から「メダルを取って帰るかどうかで今後の人生が違うぞ」と励まされました。メダル1号は女子48キロ級に譲りましたが、五輪だからこそ銅メダルを取りに行こうと切り替えられました。でも、僕の中では金メダルを逃した悔しさの方が今も大きいです。(リオデジャネイロ五輪柔道男子60キロ級銅メダリスト)

 ◆高藤 直寿(たかとう・なおひさ)1993年5月30日、栃木・下野市生まれ。24歳。6歳で柔道を始め小学、中学、高校と世代の全国大会を制覇。神奈川・東海大相模高3年の11年に世界ジュニア優勝。東海大に進み13年世界選手権金メダル、14年は銅、17年は金。パーク24所属。160センチ。家族は元57キロ級強化指定選手の志津香夫人と1男。

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