五輪柔道で2大会連続金メダルの内柴、全日本マスター柔術選手権で2階級優勝

スポーツ報知
2階級制覇を果たし笑顔の内柴

 柔道男子66キロ級でアテネ、北京と五輪2大会連続で金メダルを獲得した内柴正人(39)が25日、東京・墨田区の墨田区総合体育館で行われた「第12回全日本マスター柔術選手権」で青帯のライト級(76・0キロ以下)とオープンクラス(無差別級)の2階級で優勝した。内柴は昨年11月の柔術デビューから3大会連続の2階級制覇で負けなしの18連勝となった。

 今年初の試合となる7人出場のライト級では、1回戦、準決勝を腕十字固めで一本勝ちを決め、デビューからのオール一本勝ちを継続。決勝の原田大樹戦は、一本を奪えず初の判定となったが、勝利し優勝した。14連勝で迎えた21人出場の無差別級では、1回戦、準々決勝、準決勝、決勝と腕十字固めでオール一本勝ちを決め、これでデビューから18連勝となった。

 昨年11月26日に神奈川県寒川町で行われた大会で柔術デビューし、青帯のミドル級(82・0キロ以下)と無差別級に出場し全5試合オール一本勝ちで2階級制覇を飾った。続く12月24日に台東区内での大会に出場し、ライト級とミドル級を制覇。3大会連続での2階級制覇に「内容は反省するところもありましたけど、いい結果に終わって良かったです」と笑顔を見せた。ライト級の決勝では一本勝ちを逃したが「一本を取ろうと意識はしていないので気にしていません。仮にボクが判定で負けていても次に頑張ればいいと納得していました」と振り返った。

 当初、新年の初戦は今月10、11日の「ヒクソン・グレイシー杯」を予定していたが、方針を変更し今大会に出場。大会前の19日にインフルエンザA型にかかるアクシデントに見舞われた。「ずっと気づかなくて、周りのみんな強いなと思って気がついたら自分の体調が悪かった」と内柴。練習する神奈川県座間市内の柔術道場「ALAVANCA柔術アカデミー」の山田重孝代表(50)に一時は欠場する方針を明かした。ただ、熟慮の末に「ひとつの試合を延ばすことに我慢ができなかったりした」と決断。医師からも承諾をもらい試合前日の24日に正式に出場を決めた。

 試合でインフルエンザの影響は「まったくなかったです」と笑顔。無差別級の準決勝では背中の筋肉を痛めたが金メダルの実力を見せつけた強さに山田代表は「普通の人が2年かかる技術をわずか2か月でで習得している。ものすごい成長です」と絶賛していた。

 昨年、準強姦(ごうかん)罪での刑期を満了した。今年は文字通り新たな一歩を踏み出す年になる。元日には、「柔術に敬意を示すため」髪の毛を5厘刈りに丸めた。また、未定だった就職先も旭化成時代の後輩が運営する宮崎県綾町の整骨院などを運営する企業に決まった。今後は、3月に国内で試合を行った後に4月に初の海外での試合となるUAEアブダビで行われる「ワールドプロ」に出場する予定。同大会は初めての賞金トーナメントで世界に挑むことになる。

 「成長しているかどうか全然分からなくて、今日も決まった技は十字だけで。他の技もいろいろ使ってみたかった」と課題を明かした一方で「山田さんはじめ、いろんな人にいろんな環境を与えてもらって、青帯という許されたカテゴリーの中でできるだけ頑張って、それが自分がやってきた努力だと認めてもらって青帯相当の実力だと認めてもらえればいいかな」と掲げていた。

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