第三者に聴取委託…伊調パワハラ告発状問題

スポーツ報知
伊調馨

 レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(33)=ALSOK=が日本協会の栄和人強化本部長(57)からパワーハラスメントを受けたとする告発状が内閣府に出された問題を受け、同協会は6日、都内で倫理委員会を開き、弁護士による第三者機関に聞き取り調査を委託することを決めた。聞き取りは伊調や栄氏らが対象となる見込み。近く弁護士を選定し、早ければ2~3週間で調査を終える。

 日本協会が倫理委員会を開くのは、2013年の公益財団法人移行後初めてとなった。弁護士や協会関係者ら5人で構成し、この日、非公開で約1時間行われた。

 委員会では、弁護士による第三者機関に聞き取り調査を委託することを決定。委員の金森仁弁護士は「聞き取りの結果とその他の問題点があれば、まとめて協会に報告する」と述べた。また、内閣府もこの日、告発状を提出した関係者から話を聞く意向を明らかにした。

 告発状によると栄氏は地位を利用し、当時男子代表コーチで伊調が師事する田南部力氏(42)に、指導をやめるように命じ、従わなかったため脅したと主張。伊調が練習場所としていた警視庁に出入りできないように圧力をかけたと訴えている。

 栄氏や日本協会は告発内容を否定しており、今後は五輪4連覇を成し遂げた伊調の証言が焦点になりそうだ。伊調は「告発状には関わっていない。しかるべき機関から正式に問い合わせがあった場合はご説明することも検討したい」としている。

 聞き取り調査は2~3週間をかけて行われる予定。協会幹部は「調査結果をまとめるのに1か月はかかるだろう」とみる。今月17、18日には群馬・高崎市で女子の国別対抗戦W杯が行われる。リオ五輪金メダルの川井梨紗子(23)=ジャパンビバレッジ=、土性沙羅(23)=東新住建=らが出場予定。栄氏も強化本部長として選手団に名を連ねており、問題が長期化すれば影響も懸念される。8日には都内で理事会が予定されている。

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