競輪G1レース2勝の父・渡辺晴智譲りの勝負強さで高校タイトルを…星陵の渡辺雅也

スポーツ報知
自転車競技の全国大会に出場する星陵トリオの(左から)阿部、長田、渡辺

 自転車競技のケイリンで静岡・星陵の渡辺雅也(2年)が表彰台を狙う。父は競輪選手で、日本選手権など2つのビッグタイトルを持っている渡辺晴智(44)だ。将来は競輪選手を目指している息子が、父親譲りの勝負強さで、高校タイトルを手に入れる。

 163センチ、54キロの小柄な体がバンクを疾走する。瞬発力に優れ、長い距離を踏めるのが渡辺の身上だ。帯金章太郎監督(61)が「前の選手にぴったりつける走りがうまい。これは、なかなか教えてできるものではない」と、センスの良さを認める。位置取りが重要視されるケイリンは、まさに渡辺向きの競技といえる。

 小2からサッカーに興味を持ち、富士宮一中時代はDFで活躍。自転車を始めたのは、高校に入ってからだった。「将来は競輪選手になりたい」。小さいころから、父と同じ道を歩む夢を持っていた。

 月に一度は、親子で練習するという。「よく力みがあるから、それを直せって言われます」。体全体に力が入りすぎる癖を指摘。リラックスしながら、いかに最大限のパワーをペダルに伝えるかを課題にしている。

 40歳を過ぎても人一倍努力し、トップクラスのS1を維持している父を間近で見ている。「年になっても、練習しているところがすごい」と尊敬する。父の弟子で、雅也とは従兄弟に当たる渡辺雄太(23)は、一昨年のヤンググランプリで優勝した強豪選手。自転車に向き合う環境ができている。

 ガールズケイリンで活躍中のOGの鈴木奈央(21)が、ケイリンと500メートルタイムトライアルで2年連続2冠を達成したが男子で優勝者は出ていない。帯金監督は「展開次第では、雅也にもチャンスがある」とひそかに頂点を狙っている。渡辺ジュニアが父譲りの勝負勘で、真っ先にゴールラインを突き抜ける。(塩沢 武士)

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