舟久保遥香、世界柔道の日本代表へ全日本体重別初優勝狙う

スポーツ報知
全日本選抜柔道体重別選手権で初優勝を狙う57キロ級・舟久保遥香

 柔道の全日本選抜体重別選手権は4月7、8日、福岡国際センターで行われる。昨年3月に富士学苑高校を卒業した舟久保遥香(19)=三井住友海上=は前回初出場で準優勝。今大会の初優勝と2020年東京五輪出場を目指す舟久保に現在の心境を聞いた。

 山梨を離れて1年。実業団選手として舟久保が充実の日々を過ごす。昼過ぎまで三井住友海上の公務部所属の会社員として勤務、その後は世田谷区内の会社の道場で先輩部員と汗を流す。

 「柔道と仕事を両立しながらの1年はあっという間でした。満員電車での通勤など初めての事ばかりでしたが、東京での生活にもやっと慣れてきた感じです」

 実業団デビューとなった昨年の体重別選手権で準優勝。10月の世界ジュニア(クロアチア)を制すも11月の講道館杯では5位、グランドスラム(GS)東京の出場権を逃すなど、実力者のそろうシニアの57キロ級では苦しい戦いが続く。

 「勢いだけでは勝てない、シニアの難しさを感じました。今は得意の寝技だけでなく立ち技を強化中。少しずつ良くなっている感触はあるので毎日コツコツと練習を重ねて、力をつける時だと思っています」

 2月にイタリアで行われた欧州オープン・ローマでは課題の立ち技を積極的に試し、シニアの国際大会で1年ぶりの優勝。

 「しっかり一本を取りにいく柔道ができたのが良かった。この先、何を強化すればいいのか自分の中で明確になった大会でした」

 現在世界ランキングは40位。日本人では芳田司(22、同2位)=コマツ=を筆頭に同じ三井住友海上の先輩、玉置桃(23、同15位)、宇高菜絵(33、同27位)=コマツ=が上位に名を連ねる。2020年東京五輪での金メダルを目指す舟久保には、まず日本代表になるための結果が求められる。初戦の相手は昨秋の講道館杯3位の柳楽祐里(25)=JR東日本=。今大会は9月の世界柔道(アゼルバイジャン)の最終選考会も兼ねており、出場権を得るには優勝が最低条件となる。

 「ここからどう頑張るかは自分次第。東京五輪まではあっという間。強い気持ちを持って一日一日を大事に練習したいです」(取材・構成 大津 紀子)

 ◆舟久保 遥香(ふなくぼ・はるか)1998年10月10日、富士吉田市生まれ。19歳。三井住友海上所属。57キロ級。段位は3段。組手は右組み。5歳で柔道を始め、大明見スポーツ少年団を経て富士学苑中に入学。中3時に全国中学校大会で山梨県勢初V。2015、17年世界ジュニア優勝。17年4月、三井住友海上入社。得意技は「舟久保固め」との別名を持つ寝技と小内刈り。162センチ。O型。家族は両親と兄。

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