斉藤仁氏Jr.の16歳・立、国際大会初出場でオール一本勝ちV…父直伝体落としで東京五輪

スポーツ報知
ロシア・ジュニア国際大会から帰国し、金メダルを披露する斉藤立

 柔道男子で五輪連覇を果たした故・斉藤仁氏(享年54)の次男で、100キロ超級の斉藤立(たつる、16)=東京・国士舘高=が20日、国際大会初出場で優勝を飾ったロシア・ジュニア国際(サンクトペテルブルク)から成田空港に帰国した。父直伝の「体落とし」を武器に4試合オール一本勝ちという鮮烈デビューに、東京五輪出場への期待も高まる。「周りには無理と言われるけど、(代表になって)覆したい」と誓った。

 初の国際試合では身長190センチ、体重155キロの自分より大きな2メートル超の選手とも向かい合った。「最初は(相手の)見た目が怖くてびびった」というが「柔道をやったら自分の方が強いと思った」。五輪王者を父に持つ斉藤立が大物の片りんを見せつける国際デビュー優勝を飾り、帰国した。

 父・仁氏から教わった投げ落とし技「体落とし」を武器に、勝ち進んだ。「体に染みこんでいる体落としがバンバン決まった」と振り返った。4試合すべて一本勝ちも「内容が良くなかったので(父に)ほめられるとは思わない」と厳しい自己評価だが、「体落としは世界に通用した」と直伝技は、手応え十分だ。

 日本では16歳で既に規格外の体格。超大食いで、今回のロシアでは「じゃがいものスープがおいしくて」食べまくり、さらに2~3キロ増えた。小学生ですし50皿を平らげたこともあり、大好物は「ダントツでおすし」。身長もまだ「伸びている」といい、柔道だけでなく、体もまだ成長段階にある。初の国際大会からの帰路は窮屈なエコノミークラスの飛行機座席からはみ出すほどに体を押し込め、隣の男性が「だいぶキレてました」という。

 開催まで残り2年の東京五輪代表入りは「周りには無理だと言われているけど、覆したい」と力強い。そのためにも、今後はシニアでの結果が求められ、まずは来年の世界選手権(東京)の代表選考に関わる講道館杯(11月)で「優勝」が目標。現在、100キロ超級には、92年バルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの小川直也氏を父に持つ雄勢、リオ五輪銀の原沢久喜、全日本2連覇の王子谷剛志ら、実力者がそろい、代表争いは混戦となっている。それでも20年に向け「もっと体力や筋力をつけて、もっと技の威力をつけたい」。父に追いつき、追い抜くまで精進する。(小林 玲花)

 ◆斉藤 立(さいとう・たつる)2002年3月8日、大阪市生まれ。16歳。国士舘高2年。5歳で柔道を始める。小学6年で全国少年大会優勝。大阪・上宮中3時にも全国制覇した。父・仁氏は95キロ超級で1984年ロサンゼルス、88年ソウルと五輪連覇。190センチ、155キロ、足のサイズ34センチ。

スポーツ

×