川内優輝、極寒ボストンマラソンVから中5日&体感30度上昇も粘った14位

スポーツ報知

◆陸上 高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン(22日・岐阜長良川競技場発着)

 プロ転向を宣言した公務員ランナーの川内優輝(31)=埼玉県庁=は1時間4分35秒で日本人5番手の14位だった。8年連続の参戦で、16日のボストン優勝からの凱旋レース。帰国が1日遅れ、時差ぼけも残っているという体調と苦手としている暑さの中、リオ五輪代表の石川末広(38)=ホンダ=と同タイム(着差あり)と健闘。東京五輪選考レースのマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場は明言しなかったが、手応えをつかんだ。

 周囲の期待を下回るタイムと順位にも、川内は「今日できるベストを尽くせた」と充実した表情を見せた。ボストン優勝と帰国後のプロ宣言で会見や取材が相次ぎ「1日30分走るのがやっと」な状態。コンディションを冷静に分析し、第3集団で石川を徹底マーク。先着を許したものの、ラスト1キロのタイムは全体3位と力を絞り出した。

 “天敵”にも打ち勝った。スタート時の気温は20・4度でほぼ無風。強い日差しが照りつけ、極寒のボストンと比べると体感温度は30度近く高かった。発汗量が多く、かねて苦手としていた暑さだったが「気温が25度以下なら世界で戦える手応えを実感できた」と前向きにとらえる。帽子とサングラスの着用に加え、給水は全9か所で取り、飲むだけでなく首筋や脚の付け根にかけるなど、体温の上昇を予防した。

 レース後は大会を主催する高橋尚子氏(45)らとトークショーに出席。高橋氏は「東京五輪に出てほしい」と前日の瀬古利彦氏(61)に続きエール。MGC出場は明言しなかったが、悪条件に対して投げやりにならず、暑さへの強さも証明しつつある川内の今後から目が離せない。(太田 涼)

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