谷川翔、ラスト鉄棒でまさか落下…1位→4位で世界切符スルリ

スポーツ報知

 男子個人総合が行われ、同種目で12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪金メダルの内村航平(29)=リンガーハット=が、3位だった4月の全日本個人総合選手権との合計258・629点をマーク。大逆転で前人未到の10連覇を成し遂げた。白井健三(21)=日体大=が2位に入り、2人が団体総合3位までの20年東京五輪出場枠獲得を目指す世界選手権(10~11月・ドーハ)の代表に決定。全日本を最年少で制した谷川翔(かける、19)=順大=は最終種目の鉄棒で落下し4位だった。

 世界選手権への切符が、19歳の新鋭の手元からスルリとこぼれ落ちた。5種目を終え、全体首位に立っていた谷川翔は最後の鉄棒。最初の離れ技で「いつもは確認してつかみにいってるバーが、ハッキリ見えなかった」。バーをつかみ損ねて落下し、天を見上げた。一気に4位に沈み、「動揺してたのかな。代表に入りたかった」と唇をかんだ。

 4月の全日本個人総合選手権で内村のV11を阻み、史上最年少優勝を飾った。今大会も鉄棒の前に0・564点差をつけていたが、圧巻の演技を見せる王者の姿が「僕が完璧にやっても負けちゃうのかなぐらいの点差だった」と重圧に変わっていた。それでも、敗れはしたが「いい経験ができた」。内村や白井と最後まで優勝や代表の座を争った時間が、成長の糧となる。

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