アシックスがピン無しスパイクを公開、桐生祥秀「この形が主流になるのかも」

スポーツ報知
契約するアシックスの新型スパイク試作品を手にする陸上男子短距離の桐生祥秀(右)。左はアシックスの西脇剛史取締役

 スポーツ用品メーカー大手のアシックスは29日、都内で新型の陸上短距離シューズのプロトタイプ(試作品)を公開した。底面の金属ピンをなくし、蜂の巣状の立体構造で代用した点が従来製品と大きく異なる。同社と契約する男子100メートル日本記録保持者の桐生祥秀(22)=日本生命=は「面白い存在だと思う。ピンがなくて今までと感覚も違うと思うので、1回履いて走ってみたい」と歓迎した。

 金属ピンがなくなることで、軽量化に一層の進化が期待できる。桐生も軽さにはこだわりが強く、9秒98を出したレースで使ったタイプは、片足で約120グラム。ピンの素材を軽量金属にするなど試行錯誤し、ようやく実現した国内最軽量級モデルだった。今回の試作品は、80グラム前後。手にした桐生も思わず「軽い!」と頬を緩ませた。関係者によれば、従来製品ではピンが地面に刺さって反発を得る時間がロスになっており、ピンがなくなることでさらにタイムが向上するという仮説もある。

 現段階で、製品化と量産態勢の時期は未定。セイコーゴールデングランプリ大阪(20日、ヤンマー)に参戦した女子短距離のキャンディス・ヒル(米国)に試走をしてもらうなど研究を進め、20年東京五輪も視野に実用化を目指していく。桐生も「これまでピンがあるのが常識だった。常識を超えたら、この形が主流になるのかもしれない」と今後の展開に胸躍らせていた。

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